gopher (TP535E)
last updated : Feb.16,2003


Counter (since June 30, 2002)
っかくの常時接続環境ですので、以前からやってみたかったメールサーバの運用をするために、
手頃な機械を探していました。(Aug.2001)

必要な条件は、

・Win2000が走る
・安い
・静かで電気代も安い方がよい
・丈夫
・邪魔にならない

とこんなところで、特に連続運用になりますので現実的には一昔前のノートという選択になります。
オークションでいろいろ物色したのですが、その割にはあまり勉強や調査もせず、適当に選んで落札
したのが、IBMのThinkPad 535E(2606-36J)です。FDDを認識しないというもので、確か16000円でした。

開封して動かしてみますと、どうも液晶画面のちらつきが目に付きます。Webを検索して調べたところ、
バッテリが弱っているとこの症状が出るとのこと。まぁWin95時代の機械ですから仕方ないでしょう。
充電完了のつもりでも、AC入力を外すと一瞬にして電源が落ちてしまいます。

とりあえず1.6GBのHDDを取り出し、メイン機のセカンダリに接続してOSとLAN関係のファイルを転送、
そしてインストール…文字で書くと簡単ですが、当初は慣れてなくて手こずり、3〜4回インストール
し直しました。最初にWin98を入れてみたりしたのですが、それが余計に悪さをしたりして。

とにかく最終的に、うまく動くようになりました。しかし余談ですが、この手の写真撮影は光の加減が
難しいですね。苦肉の策で、ご覧の通り2枚一組です。(^^;






そして恒例、HDBenchの結果です。

 ★ ★ ★  HDBENCH Ver 3.30  (C)EP82改/かず ★ ★ ★
M/B Name    ThinkPad 535E
Processor   Pentium(MMX) 149.60MHz[GenuineIntel family 5 model 4 step 4]
VideoCard   Trident Video Accelerator 9320
Resolution  800x600 (16Bit color)
Memory      73,268 KByte
OS          Windows 2000 5.0 (Build: 2195) Service Pack 2
Date        2001/10/15  23:36

標準 IDE/ESDI ハード ディスク コントローラ
  IBM-DDLA-21620

   ALL  Integer   Float  MemoryR MemoryW MemoryRW  DirectDraw
  2819     5440    4110     3169    4750     4708           3

Rectangle   Text Ellipse  BitBlt    Read   Write    Copy  Drive
     1106    787     554      20    4151    4073    1211  C:\100MB

まぁメールサーバですから、安く安定して動くだけでいいのです。他に何も期待していません。
その点では十分な性能と言えるのではないでしょうか。


…と、これで終わってしまっては面白くありません。実はここに至るまでに、数々の危機に出くわしました。
中でも一つ、忘れられない冷や汗ものの事件は、ここで書かないわけにはいかないでしょう。


らく気を持たしたままでスミマセン。本人も、「数々の危機」をもうだいぶ忘れてしまいました。
こんなことではイカンですな。。。さすがに「冷や汗ものの事件」は上記のごとく忘れられません。
こんな愚行は誰もなさらないと思いつつ、もしもの為に恥を忍んで記載させていただきます。

 …なんてな大層なものでもないのですが、ご存じの通りこの機械はHDDの入れ替えがかなり簡単に
できるのです。それで、中古で仕入れてきた日立製6.4GB(4,980円だったかな?)に入れ替えようと
ごそごそやっていたわけです。

HDDのあるところ
こんな感じで外せます
問題のポイント
(写真は事故機と同型他機)

 そしてこの535は、HDDを斜めに突っ込んでしまって片側しかコネクタに刺さっていないという不具合が
良く発生しますので、抜き差しには注意が必要…という情報を前もってゲットしてありましたので、
そこばっかり注意していました。何度かやっているうちに、ちょっと固い目の手応えがあったときは
しっかり正規の位置にはまっているらしいことも分かりました。

 ところが、どうも機械が認識してくれない…など色々ありまして、何回も抜き差ししていたその
何回目かに、悲劇は起こったのです! ちょっといつもより固いなと思いながら突っ込んで、相変わらず
それでも認識してくれない。その時、今度は抜くのも少し固いではないですか。あっ! よく見てみますと、
HDDのピンを一本折ってしまっています。それだけでもショックやのに、なんと本体側のソケットも壊して
しまっていることが判明しました。

奥に見えるコネクタが、それです
(写真は事故機と同型他機)

 さぁ大変です。次の日早速仕事の途中に日本橋へ寄り、コネクタを物色…しかしこんなもの、あるはずが
ありません。L型がなければストレートのものを切って半田付け、の覚悟もしていたんですが、それもありません。
どうしよう、中古のHDDをバラしてコネクタを取り出し、全線半田付けしようか、でもそれやったら付け外し
できへんようになるし、接触不良の可能性もあるからサーバには無理やな。。。しばらく絶望感を持ちながら
悩みました。

 そのうち(1〜2週間後でしたか)、ふとひらめきました。そうや、ジャンクで流れてる535からコネクタだけ
取り外して移植したらええねん! 早速オークションを物色しましたら、いい具合にシステムボード(基板)のみの
出品がありました。早速ゲット(1,000円やったかな?)、コネクタさえ生きていれば、あとはいりませんので大満足。
事前に某所からお借りしてきてあった電動半田吸い取り機(これ楽ですよ)で、いとも簡単に、しかし丁寧に取り外し
成功。事故機からも、パターンを傷めないように細心の注意を図りつつ、取り外し、そして半田付け実施。目視確認も
そこそこに、元々のHDDを取り付けて動作させると…いやぁ、久しぶりにちゃんとした画面を拝むことができました。
まさにヤレヤレの瞬間でした。

問題のシステムボード
ここまでバラすのは、結構骨の折れる仕事です

そして斜めに置いてあるのが、問題のコネクタ

 元々の問題、HDDを認識してもらえなかったのは、どうもこの機械には相性があるらしく、消費電流が0.5Aを
越えるものはたいがいダメなんだそうで、それによるもののようです。無難なのはIBM製らしいですが、他社の
でもいけたという報告もあります。(どこで見たのか忘れましたが、また見つけたらリンクします)

 ところで、今回の作業にあたり、純正マニュアルと保守マニュアルを取り寄せることにしました。特に
保守マニュアルは、分解の手順や方法からビスの種類まで細かく書かれており、あるとないとでは大違いです。
それでわずか数百円(320円とかだったかな?)なんですから、これから535と長くおつきあいしようとお思いの
方は、ぜひゲットしておくべきと思います。幸い今でもこちらから新品で入手可能で、無料登録のあと
メインページのIBMマニュアルから入ればたどり着けます。(Oct.2001 … 一年以上前!(^^; )


DDの容量がさすがに厳しいので、入れ替えました。(June 2002)
もう6.4GB以下のHDDなんて、一般のショップでは入手しづらくなってしまいました。事実我が家でも3.5インチ
含めてですが、1G 3G 20G 40G といったものが余ってきています。かといってHDD(やCD-ROMなど)に中古品を
導入するのは、全く気が進みません。それでいろいろ探してみたのですが、結局困ったときのオークション頼み、
5GBと希望よりちょっと小さめですが、IBMの新品をゲットしました。6000円ぐらいだったかな?

 すみません、もう半年ほど前のことで型番を失念してしまいました。今度シャットダウンしたときに確認・
追記します。とにかく、難なく認識してもらえ、移行も無事終了。ここでも予備機が活躍しました。各種設定を
すべて終わらせ、エイヤッで本機の物と入れ替えるという方法により、ネット不通時間は数分で済みました。

 その後快調に動くことを確認してから、容量が増えたのでWebサーバとFTPサーバもインストールして動かして
みました。こうなると、さすがにスペックの遅さがかなり目立ってきまして、掲示板CGIなんかは応答までかなり
時間がかかります。ま、それもまた愛嬌ということで。

 その後、不定期にデータ読み出し時のビット落ちが発生しています。これは噂に聞くノイズ混入かな? いずれ
対策をと考えているのですが、今のところ熱との因果関係も調査中で、そのままにしてあります。


ッテリが全く機能していなかったのと、いいのを安く見つけたこともあり、入れ替えに挑戦してみました。(Nov.2002)
全く目新しいことでも何でもなく、こちらのページのほとんど丸々コピーです。違うことと言えば、
バッテリパックの入手先と型番くらいでしょうか。先人たちの知恵と勇気に、ただただ感謝です。

注意:リチウムイオンバッテリは特に、簡単に爆発する危険性があります
本記事の真似をして発生したいかなる現象に対しても、筆者およびリンク先
や販売店など、すべての誰も他人はその責任を負いません


参考:高校の化学で習いましたよね。リチウムはナトリウムなどと同様、イオン化傾向が非常に大きく、空気中の酸素に反応して激しく発熱・発火します。
そして、「リチウムイオン」は加熱・過熱等により容易にリチウムに戻るそうです。ここではあえてリンクしません。必要であればご自身でお調べ下さい。


この手の記事全般に言えることですが、あくまでもネタということでご覧下さい。

今回入手したNEC製バッテリパック。

擦り傷などなく、どうも新品みたいな感じです。
中身の様子です。

実は店先でこの状態のサンプルがあり、「紫色の17670」を上記ページで記憶してましたので、迷わず購入しました。なんと980円。日本橋もまだまだ捨てたものではありません。
こちらが本命、蘇生対象のパックです。

現状では、電源断→即アウトです。
予想したほども苦労せず、楽に開けられました。
死んでいるとはいえ、細心の注意を払います。
蘇生中。

半田による加熱させ過ぎと、極間短絡にはくれぐれもご用心。
完成、後はフタをするだけです。

フタは荷造り用の透明テープで留めてみました。
無事認識してもらえました。

実は純正のACアダプタは一つしか持ってないので、テスタチェックだけした後で無謀にもいきなり運用中の
サーバ機につっこんでみました。せっかく予備機があるんですが…で、異常発熱なども今のところ皆無で、
順調に動いています。最初、充電ランプがすぐ緑色に戻るので「あれ?」でしたが、どうも本当に新品だった
ようで、満充電だったみたいです。こわごわACアダプタを抜いてみたのですが、全く普通に動いています。
電源のプロパティを変更していなかったので、10分経ったところで電源接続しましたが、その後も全く変わらず
順調に動いています。

 というわけで、見事に蘇生成功! 重ね重ね、上記ページの作者様に感謝感謝です。そしてやっとこれで、
晴れて「ノートでのサーバ運用のメリット」を活かせるようになりました。なんせ標準でUPSを装備している
というわけですから。


DDの電源ラインを強化しました。(Dec.2002)
Webサーバを動かしだした頃から、データ読み出し時のビット落ちが時々発生し出しました。何が原因か良く
分からなくて、いろいろ疑ってみましたが、特定のポイントというわけではなく、またWebだけに限らず
大きな添付をつけたメールなんかでも時たま発生しますので、こりゃハード的な要因やなと想像してました。
HDDを大きくしてから出だしたのかも知れず、ネットで見かけた電源ライン強化をやってみようと思いながら、
やっと時間ができたので思い切ってチャレンジしてみました。参考にさせていただいたのはこちらのページで、
あいかわらず先人の皆さんに感謝です。

 それで、サーバのHDDを予備機に入れ替えて再起動、この間不通はわずか数分。いやそんな事はどうでも
いいのです。久しぶりにバラしましたのでだいぶ手順を忘れていますが、そこは保守マニュアルを見ながら
安心して取りかかれます。このあたりが、「ノート買うならIBMにしとき」ってお勧めしてしまうところ
なんですよね。

 ところが肝心の電源ライン強化ポイントまでたどり着いたところで、えらいことが発覚。上記参考サイトの
写真は我が家のと違うぞ!? そうかあっちは535Xや!! ってことでまたまたネット検索してみたんですが、
どうも古い話題のためかうまく見つけられません。まぁサーバは予備機で動かしてるんで、特に急いでフタを
する必要もないんですが、しかし今片づけてしまわんと今度いつになるや分からん! え〜ぃままよ! 分解
バラバラ、システムボードむき出しのまま通電して、めぼしいところをテスタで当たっていきました…さすがに
緊張しましたね。つぶしてしまうと今までの苦労がすべて水の泡、ですから。それで、何とかポイントを
見つけて作業しました。ちなみに写っているHDDコネクタは、前述したトラブルの際に付け替えたまさに
そのものです。懐かしいなぁ。

上がHDDコネクタ。
配線はもうちょっと太くて、色も違えた方がいいんでしょうけど、手持ちの都合でこうなりました。
+5Vのポイント。テスタで発見しましたが、全く使わないIrDAの裏ですんでいいでしょう。
左下はPS2コネクタです。
HDDコネクタとGND側のポイント。


 ついでに、HDDのノイズ対策もやっておきました。これまた535Eではそれほど必要ないらしいんですが、
どうせこんなものは気休めにしかならんので、開けたついでにやってみました。はい、これをやっている間
だけは、サーバが止まっています。さすがにHDDはまだ二重化していませんので。

下が純正1.6GB、上が現用の5GB(IBM DJSA-205)。
ちょっと形が違いますね。
銅製でもいいんですが、アルミ製のノイズ対策用シートが売られていましたので、これにしてみました。

結果は…残念ながらまだ症状が出ています。う〜ん。。。ソフト的な要因か?



と、予備機が完動品やったことを思い出し、そちらで運用してみました。(Feb.2003)
その結果、ビット落ちは発生しないではないですか。違うところといえば、キャッシュメモリが搭載されてる
ことくらい…あっ、もしかして付け替えたHDDコネクタか?! そういえば、とりあえずやってみてあとでもう一度
ちゃんと半田ごてを当て直そうと思っていながらそのままだったことを思い出しました。スルーホールにちゃんと
接触していないとか、そんなことになってるんやないかというわけです。

問題のポイント。さすがに写真で見分けられるほど寄れません。
この写真では分かりませんが、あやしそうなところが一箇所あります。念のためすべてのピンを加熱し、
再度挑戦です。今のところ発症せずにうまく行ってるようですが…ちょっと余談ですが、なぜか本機に戻したあと、
快調に動いていた予備機が動かなくなってしまいました。いじけたんかな? このままでは何かあったとき、
ちょっと困りそうです。

(もうちょっと、つづく)