ソケットボックス その9

 本日は昼から野暮用のため、早めの更新です。(別に日課というわけではありませんが)

 写真はフィンを外したGS35Bと、大きさ比較用の3-500zです。

 チムニーはガラエポでいいのがあればと思っていたんですが、さすがにそんな都合良く既製品はありません。テフロンシートという手もあるのですが、どうせ作るなら前からやってみたかったAlpha(ETO)の真似、シリコンシートのチムニーです。でもやる気はあっても、どこでどういうものを入手すればよいやらさっぱり…そんなことを某MLでつぶやいたら、ある親切な情報通さまから素晴らしいinfoをいただきまして、早速入手したのがこちらこちらです(実は2月に入手済み)。

 接着剤については「かくかくしかじかで、どれがいいか」と問い合わせてお答えいただいたもの。シート代は厚みが3mmで良かったり、サイズが300mm角で良ければだいぶ節約できるんですが、初めてですから無理せずこの選択です。(円周は300mmを越えますし)


 意を決して切り出し…しかしカッターナイフが入りません。硬いのではなく柔らかすぎて切れないのです。仕方なく、ガタガタになるのを覚悟してハサミで切断。裁断機のようなものがあればきれいに切れるのかも知れません。


 接着は耐圧(絶縁)を考え、内側にはみ出さないよう「のりしろ」を多めに取りました。どんなもんか皆目分かりませんでしたので、とりあえず内側だけ付けて、外側はあとから修正するつもり。

 それにしても、注意書き通り臭い(酢酸入り)ですわ、この接着剤…要換気です。


 そしてこの状態で待機です。半日程度必要かなと思っていましたが、二時間くらいであらかた接着完了しているようでした。もちろん長い目に放置するに越したことはありません。

 その後、外側の合わせ面にも再度塗布し、さらに放置しました。だいたいシリコンのコーキング剤を扱う感覚ですね。


 ジャーン! いかがですか?(^^)


 鉢巻きの留め合わせ部分は切り込みを入れて逃げました。


 ここのビス部分も切り込みを入れて逃げる必要があるんですが、ここはケースに入れ込んで位置合わせしてからの予定です。(鉢巻きの留め合わせ部分がどこになるか確定してないので)


 気になる接着部分の様子。まぁまぁでしょう。

 写真がちょっとピンぼけでスミマセン。


 この状態でファンを回してみたら、密着度が増したせいでしょう、こういうところからのエア漏れがかなり気になるようになりました。それこそコーキングで埋める必要がありそうです。

 上記のビスを逃げていない部分は、若干エアの経路が狭くなっているんでしょう、出てくる風が少な目でした。正直なものですねぇ。


 階下からの風景。まぁこんなもんでしょう。


 こんなことはあんまり誰もせんでしょうけど、タマ〜チムニー〜プレートRFC〜パスコン一括で絶縁抵抗をチェックしてみました。最大の関心事はシリコンシートなんですが、まぁ暖まったときどうなるか分かりませんからあくまでも参考データですね。

 まずは1000Vで、無事2000MΩ以上。


 そしてドキドキ、5000Vでは…40GΩ、問題なし!

 それにしても、この時点で5000Vもかけるのはある意味邪道かも知れません。しかしまぁ数時間ですがエージングは済ませていますし、いずれそれに近い電圧をかけるつもりですから、一度はやっておきたかったチェックです。

 ちなみにこのテスタで10000Vまでチェックできますが、壊すのが嫌なのでもちろんそこまでやってません。それとこのテスタ、プローブのコードにはRG58A/Uが使われています。

 これでこの箱の作業はいったんお休みです。銅板ツアー、タマの上側のチムニー製作などが残っていますが、いずれもケースに入れ込んでからの予定です。あとはALCの検出部の組み込みがありますが、これはアンプとしてある程度動き出してから取りかかるつもりです。

コメント(15)

おおおっ これはFBですね。
私は10mm厚のテフロン円筒や、1mm厚のテフロンシートを丸めて3mmの真鍮ビスで留めた物を使っていますが、球のプレートとシャーシの間に装着する物はテフロンシートでは心許ないですし、場所が狭い場合はテフロン円筒では入らない場合もあるので、密着性といい、シリコンのスポンジシートは最適かも。切り込みもなかなかですね。

表面がテフロンに比べて(オーバーに書けば)べとっとしているとゴミがだんだんと不着して絶縁破壊...とか余計な心配したりするんですが、Alphaだって結構肉厚のスポンジシートを使っているようでしたし、大丈夫ですよね。

これって、どれくらいの密着性を期待してどれくらいの内周で作られたのでしょう。球の円周300+mmに対して内周290+mmくらいかなぁ。興味津々です。

さすが 工作の腕が違いすぎますがな。私には出来ません。
今日 宅急便拝受。ソケット添付、恐縮です。昔のカウンターキットを探したんですが見当たらず。
うちは1年計画でぼちぼち やります。おおきにさんでした。

さすがβ教粗さま、実際にいろいろと試されている方ならではのツッコミですね! そうなんです、経年変化による絶縁低下は他の部材よりも気をつけなくてはと思ってます。ちなみにAlphaのは、スカート(下側)は1mm厚、チムニー(上側)は3mm厚のものを使っているようです。もっともAlphaのはスカートは短いし、タマの直径もだいぶ短いので、今回は安全サイドに振って5mm厚としてみた次第です。

 それでホコリといえばAlphaのこちらに載ってる事例

http://www.alpharadioproducts.com/amp_maint.asp

が恐いですね。いずれにしてもこの手のものは定期的な点検清掃が必要だと思います。

 さて今回の直径の件ですが、これまた鋭い視点でビックリです。お察しのとおり最初に結構考えました。でもさすがにAlphaのもののように、スカートの裾を拡げて貼り合わせるなんてテクは持ち合わせておりませんので、ストレートでいけるように、ボックスの三日月穴の外径はフィンの外径に合わせました。そして入手したシリコンシートが思ったより伸びそうでしたので、ズバリ外径にぴったり合わせて丸めました。こうすれば三日月穴のところでピッタリ行きますし、フィン部では鉢巻きごとかぶせればそこそこ密着しそう…のもくろみがズバリはまったというわけです。まぁゆるゆるだったとしても厚みがありますし中からエアで少し圧をかけている状態ですから、最悪でも腰砕けになることはないだろうと安易に考えもしたんですが、うまくいって良かったです。というわけで、結果的に鉢巻き部分では円周で15mm程度短くなっていると思います。

 山崎さん、突然ガラクタを送りつけまして申し訳ございませんでした。特にソケットと基板は安物しかなく恐縮です。レポートを楽しみにさせていただきます。

なかなかの腕前。うへぇ〜、シリコンシートって高価なんですね。この手のタマはピシット密着している方が良いのでしょうか?4CX250BのJonson製タイト製チムニーはゆるゆるで、ほんまにいいのかなって感じですが。

ところで、その絶縁抵抗計、いいですね。ガス球が一発で解る例のHigh Voltage Breakdown and leakage current Testerに使えそう。

初めて GS-35B のヒートシンクを外した状態を見ました。

放熱という点では、ピッタリ密着させるよりすこし外側にも風を送ってやる方が(=フィンの表面積を広く取る方が)良いのではないかとも思えますね。だから純正品は硬い材質なんやないかなと勝手に想像してます。

 そうですねぇ、しかし3-500zなどに5000Vはちょっと高すぎるかも? 『正常なものでも「道」を作ってしまうから』との理由でこの手のチェックを嫌う方も少なからずいらっしゃるようで、確かにそれも一理あると思います。まぁこれらのテスタはいつでも手元にあります(ただし大きい方は校正切れ)から、実験の時は参加させて下さいね!

奥村さん、なんか間抜けな感じでしょ? でも海外では、この状態での販売もあるんです。これならだいぶ軽くなりますから、次に頼むときはそうしようかなと思ってます。(一つくらいはちゃんとしたフィンが欲しいなってのも、あるにはあるのですが)

 あと一つ疑問なんですが、この接触部に薄く放熱用シリコングリスを塗るべきか、やめとくべきか…熱くなって流れ出してくるのが嫌で、標準では塗ってないんかなと想像してます。

西村さんへのコメントに追加、硬い材質だから(β教粗さまのレポートのように)熱膨張の余裕を見てルーズにしてある、とも考えられますね。

>熱膨張の余裕を見てルーズ

確かにそうかも。スベトラーナの3CX800A7はフィンに切り欠きが入っていたし。セラミック球にもいろいろとノウハウ、あるようですな。

>しかし3-500zなどに5000Vはちょっと高すぎるかも?

そうかなぁ〜。3-500zのパルス用途ではプレート電圧10KV MAX.となっていますが。ガス球とそうでないGKタッチ球があるので、いつかテストさせてください。

杉山さん
お褒めにあずかり光栄ですが、密着性については納得です。ゆるいとプルプルしそうな感じもしましたので(笑)。

考えてみると、柔らかい物なので、あまり引っ張ったままにしても千切れたりひび割れたりする可能性もありますね。末広がりの富士山型に接着するのもできなくはないでしょう。ちょっと面倒かな。

あと足下の邪魔なネジ+ナットですが、皿ビスにはできない物でしょうか。私はその付近のネジは全部皿ビスにしておりました。

ゴミの付着については、例示されたページの写真はひどすぎですね。何も考えずに通常の環境で長時間使ったのでしょうね。
せめてシロッコファンか筐体の吸気口に1mmメッシュくらいの細かい金網を付ければだいぶ違うのですが。私の所ではジャンクの放送機に填っていた15cm×25cmくらいの吸気フィルタを枠ごと外し、RFデッキの筐体脇の鉄板を金鋸で切り欠いて、内側から填め込んであります。

また、最近はファンのメーカーさんでもシロッコファンの吸気口にそのまま填る吸気フィルタを安価に売っていますので、それでも良いかも(風量はやや下がるようですが)。杉山さんの場合は筐体への吸気口か、吸気用のスケールファンに付ければOKですね。

チムニーで思い出したのですが、どこかで読んだ記事で、ある球を使うのに、安いセラミックのチムニーを使ったら浮遊容量が10pFくらい多くなって、後日、ガラス製の純正を入手して使ったら、かなり少なくなってチューニングが変化したそうです。160mならば全く関係ない話ですが50MHzでは定数を変更する必要があるくらい問題になりますね。
せっかくなので、絶縁抵抗だけではなくチムニーの有り無しで出力容量がどれくらい変わるかも把握しておかれると良いのではないでしょうか。

西村さん
4CX250FG ppのリニアでは同じくジョンソンのセラミックチムニーを普通に使っていましたが、たしかにガラガラですね。プレート接続用の鉢巻き(プレートバンドとも言う)に5D2Vの編組線を被せ、チムニーに当たるように下げて、押さえの役目もさせていたのを思い出します。

現在、某オクに4CX350パラと4-400ppの50MHzリニアが出ていてへえーっと思って眺めました。4-400ppは、最初3-500zかな?と思ったら10Wで1kW出るそうで、よく見たら4極管で、なかなか良くできていました。欲しいですが、買えません(笑)。

西村さん、言われて改めてデータシートを見てみたら、「Switching Modulator」で最大10kVと確かにありますね。何ミリ(マイクロ?)秒かは書かれていませんが…全く存じませんでした。しかし我が家のはいずれも中古品ばっかしですから、やっぱし5000Vもやめときます(^^; 今度お会いすることがあれば持参いたしますので、お楽しみに。

 β教粗さま、確かに斜めの貼り合わせもやってみたい課題ではあります。型紙さえしっかり作ればそう難しいことはないでしょうが、接着剤を塗るとヌルヌルしてなかなかここというポイントで静止できないんですよ…なので、貼り合わせにはちょっとテクが必要な感じです。(少し乾いてから貼り合わせれば何て事はないのかも知れませんが、実行してないので不明です)

 今回のものは、今のままではちょっと風量不足かなという感じもします。でもまぁ富士山型はやっぱり次回(いつやねん?)以降に持ち越しかな。

 そしてまたまた鋭いご指摘、嬉しい限りです。そうなんです、ここはぜひ皿ビスを使いたいなとだいぶ考えました。といいますのも、ここには例の入力マッチング基板を留めているスペーサが来てるんです。で、基板をスムースに付け外ししたい(なんせ銅板と共締めですから)ので、スペーサのナット側(メス側)を基板側に持ってきたい。じゃぁ両方メスのスペーサにすればええやないか…しかし5mmのスペーサに両方からビスを突っ込むのでは、それぞれのビスの長さが相当短くなってしまって不便…ほなスペーサをもっと長いもの(たとえば10mmとか)にしたら? 今度はボックス(シャーシ)の深さが足りずマッチング回路に制約が出る…なんてことがあり、仕方なくこのようになってしまったわけなんです。基板を外すことを考えなければいいんですが、それはそれで構想がいろいろとありまして譲れないところなのです。ボックスをもう一回り大きなものにすれば良かったんですが、ここだけの話ファンの向きがこうなるのが実は計算外でした(^^;

 お察しのとおり、給気ファンの手前にフィルタを装着するつもりです。幸いパソコン関連でもいいものが出回っていますね。教粗さまがお使いの放送機のジャンクでしたら、恐らく金属メッシュでしょうから水洗いできていいですよね。そういうの小生も探そうかな…

 出力容量の差については全く気がつきませんでした! 確かにもし誘電体を持ってきたら、だいぶ影響があるでしょうから興味あるところですね。ありがとうございます。例の簡易チェッカで比較してみます。

 某ークション、4CX350のは見てましたが4-400ppは見落としてまして、早速チェックさせていただきました。電源部がどうなっているか興味津々ですが、小さいトランスが増えてて、そこから裏側へ配線が伸びていますから、そちらに電源回路があるのでしょうか。そして西村さんのと違ってGK-PPのようですね。今の値段だったら向学のために欲しいなと思いますが、まさかこんな値段で終わることはないでしょうね…。いやいや、楽しい情報をありがとうございます。

セラミック球はセラミック球なりのいろんなノウハウがあるようで驚いています。HL-1K6を少し、いじったくらいなんで・・・やはり実際に使った経験がものを言うようですね。

プレート-フィラメント間に5kVかけて絶縁不良なら、間違いなく真空度低下しており、そういった場合、例のクッキングを行えば良いだけの話じゃないのかな。『正常なものでも「道」を作ってしまうから』というのが信じられないのですが。

オークション、フロンティアのSB-2000ASを改造しているようで、あのスペースにうまく入れたなぁと関心しています。ウチもカンバらなくちゃ。

道ができるというのは、たとえばバリコンで一度スパークすると、電極が近くなってしまって同じ箇所でしょっちゅうスパークするようになったりする、あの現象のことです。フィラメントとプレートではそこそこ距離がありますが、グリッドとプレートはかなり近いんやなかったでしょうか…と思ったら、グリッドに異様に近いのはカソード(フィラメント)でしたね。

 もっとも、メガーテスタでは微々たる電流しか流せませんから、そのような破壊に至ることはないかも知れません。

杉山さん 
吉田です。 杉山様の教えてくださったサイトなどで
自分なりにTL−922を直して見ました。
又 JF3DRI西村さんのサイトが参考になりやはり、
先輩方のノウハウという物を教えて頂けることは、
私ども非常に有り難い事です。 西村さんと言えば
以前 有る本の50メガの記事を書いていた方ではという記憶が有ります。 しかし、ここのサイトに来られる方々は、レベルが高いですね。 自分の様な、初心者では敷居が高いような気がしますね。
しかし、無事、TL−922も動作してくれ、寝れる
様な気がします。 それと、スタンバイリレーのソフト化も行いました。 デバイスは、杉山さんの様なオムロンの製品が手に入らず 以前1個持ち合わせていたオムロンのリレーもどうやら、静電気で壊れていたらしく結句は、似たような松下のフォトモスリレーを
使いました。規格表が無かったために探すのが苦労しましたが、秋葉原の千石で見つけました。 270円
でした。 現時点では、上手く動作してくれているようです。 又ここで定石になっているフラメントの差し替えと、焼けたチョークをはずし、直付けとしました。 ツエーナもトランジスターで作り直し、付けました。 オペレートSWとメーターSWも交換しました。 暇を見ながらやったので約1ヶ月ほどかかって
しまいました。 杉山さん有り難うございました。
吉田

吉田さん、うまくいったそうで何よりです! 前回「もう少し−」などと偉そうに申し上げてスミマセン。ものがもの(高電圧・高周波による危険が大)だけに、ある程度理屈をご理解いただいてからと思いましてのことで他意はございませんでした。もっとも小生などは分からないことだらけ、まぁだまだ皆さんに教えていただくこと多数で全然なのですが。

 フォトMOSリレー(元々は松下が最初に量産したデバイスだったと記憶してます)を使ったスタンバイ回路は、小生は3セットくらい適用し今のところどれも問題なしですが、今後もし何らかの不具合が出ましたら、向学のためにぜひレポートをお寄せいただければと存じます。

 あとご承知のことと存じますが、可能であれば922の弱点であるフィラメント電源の突入を回避したいところですね。それとこちらでもまだ実行していませんが、グリッドを直接接地したならなおのこと、高圧ラインに10Ω程度の保護抵抗を入れてみたいところです。

 それにしても、そこまで手を入れてやれば、天国からご覧のお友達もさぞ喜んでいらっしゃることでしょう。いずれ吉田さん自身が、これをきっかけに資格・免許を得て実用に供することになれば、またいろいろな楽しみが出てくることと思います。

 ところで「敷居が高い」という率直なご意見、ありがとうございます。大いに反省せねばと感じておりますが、やはり皆さんに助けていただきながら、ともに技を磨いて向上していきたいと思っています。

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この記事について

このページは、ji3kdhが2008年5月11日(日) 11:45に書いた記事です。

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