電力増幅部 その5

 相変わらず時間的なスキを見てやっております。


 ご覧のようにトランスをでっかく巻き直してみた(FT114-43×6に3回巻き)んですが…残念ながら発熱に劇的な変化は見られず、少しマシになったかなという程度です。(LPFなしの波形は相変わらず右肩下がりのままです)

 それでも現状出せる最大出力(入力55V3.2A、効率80%)で普通の連続CQでしたら65℃前後までなので、50WでしたらQRSSをやるにしてもまぁまぁ大丈夫でしょう。ファンの風も少し当ててやる予定ですし。

 それにしても…本来ならまだまだ大きせないかんのですかね。さすがはLF、スイッチング電源のトランスが小さい理由の逆をいってるわけですから当然といえばそうなんですが。海外の先人たちがほとんどシングルエンドでやってる理由が分かるような気がします。

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スイッチング電源用のコア(といってもトロイドじゃなくてEIコアですが)で実験してみますか?100Wクラスでも結構小さいです。またSW周波数は100kHz以下が多いようです。(効率の関係で)
ちょっと調べたところ、スイッチング電源用のコアは、透磁率が2000ぐらいが多いようです。そのほかの項目は、何に影響するのか良くわかりません。

http://www.tdk.co.jp/tjfx01/ferrite.htm

SW電源には、フィードフォワード方式、フライバック方式、ブリッジ方式などがありますが、根本的に「アンプ」じゃないので、比較できないかもしれませんが・・・。

http://www.cosel.co.jp/jp/data/pdf/technotes.pdf
https://www.nipron.co.jp/pdf/cyclopedia/chapter1/1-3.pdf

いつも貴重な情報ありがとうございます。リンク先、興味を持って拝見いたしました。TDKのコアには使ってみたいものが満載ですね。

 それからスイッチング電源の方式についてですが、プッシュプル方式の「交互のON幅の差でトランスが直流励磁するため、あまり使用されない」は、ひょっとすると今回の現象そのものではないかと思い始めています。つまり正側と負側でバランスが取れていないのではないか、と。そのつもりで波形を見ると、確かに正負で形が違うんですが、仮に特性の揃った石に取り替えたとしても経年変化でいずれまたその状態になるでしょうから、ある程度は受け入れやないかんのではとも思います。バイアスをかけて(それぞれバランスするよう調整して)みるのも一案ですし、師からはノーバイアスはダメよと言われてますからその辺もあるんでしょうけれど…

 スイッチング電源内のトランスをバラして再利用すれば結構いいものができる、という情報は極秘裏にいただいていましたが、壊れてる電源が手元にないのでまだ試せずにいます。ただ同じ情報筋からは「近ごろのスイッチング電源は数MHzの発振周波数だ」との情報も得ています…まぁ古いのをばらせば良さそうですが。

 考えてみればスイッチング電源もそこそこの大きさのものはファンがついてますし、強制空冷を前提とするのは邪道ではないのかも知れませんね。そもそもコアの発熱について、ある程度どこかで上げ止まってくれればよいと割り切った方がラクかも(気持ちはそちらに大きく傾いてます)。正直なところ3回巻きでも発熱するのはガッカリでした。後ろのトランスはケロッとしてるのにね…

 それはそうと、スイッチング電源について知らないことが(予想以上に)いっぱいあることを再認識させられました(^^;

ドライブは矩形波での励振でした?サイン波だと両方onすることは無いように思うのですが。それと、SW電源はあくまでPower-MOS FETを「スイッチ」として使っているので、onかoffかの状態、飽和領域で使うため「バイアス」の考えがありません。D級ってやつですね。また、インピーダンスマッチングという考えは無いので、根本的に異なる気がします。

あと、スイッチング周波数ですが、チョッパー型などだったらMHz領域でやっているものもあるかもしれませんが、100W程度のSW電源だと数十kHz〜100kHzだと思います。周波数を高くすれば、トランスや平滑コンデンサを小型化できるのですがスイッチング素子の損失が大きくなるためできないと聞いたことがあります。
(会社の以前の所属部門には電源設計をやっているグループがあったので)

100WクラスのSW電源に使っているトランス、ジャンクですが手持ち品があるので、機会があれば使ってみてください。ただし、接着剤で固めてあるのでうまく分割できるかは腕の見せ所でありますが・・・。
細い線を束にして巻いてある(いわゆるリッツ線ですな)のが特徴です。

ON幅の差というのはオーバラップということなのかな? であれば確かに今回は該当しませんが、直流励磁とありますからどっちかに偏っているとそちら方向に励磁してしまうのかなと想像してました。ドライブは確かにサイン波ですが、出力側はサイン波ではなく上下で結構幅の差があるものですから。

 発振周波数についても了解です。小生の情報源は出所不明のあやしいもので、単なる噂の域を出ていないとも取れるものでしたのでスミマセン。であればひょっとしたら使えるかも知れませんね。もし機会がありましたら、お持ちの中で一番大きな物を試させて下さい。でもリッツ線くらいであれば単なる発振用かな? まさか数Aもリッツ線に流せませんもんね(^^; ちなみに小生が使っている巻き線は0.5mmsqのFEPテフロン線というものです(5mで1,000円もしました)。

一般的な管球式オーディオアンプのプッシュプル用出力トランスにおいてもアンバラス電流の規定はありますが・・・。規定があるのは、直流磁化によりインダクタンスが減少し、低域の特性が劣化するためです。
(ちなみに、シングル用出力トランスは条件が厳しいので、コアボリュームが大きいのを使ってある。)

http://www.tubeworks.jp/trans/trans_hasi_ppopt.html

リッツ線といっても0.75SQのより線程度の太さはあります。リッツ線にしてあるは、多分、隙間をなくして線間の結合を密にするためと思われます。この巻き方にもいろいろとノウハウがあるようです。
(オーディオ用では「サンドイッチ巻き」というのがある。)

ということは、アンバランスはやはり直流励磁(して発熱)の原因になるのですね。バイアスはスイッチング電源には関係ないですが、アンバランス解消にはいいかなと思って書いたわけでして。しかしノーバイアスのお手軽さにどっぷりとはまりきっていますので、このままいくつもりです。

 なるほど0.75mmsqくらいでしたら、そこそこ流せそうですね。

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このページは、ji3kdhが2009年6月11日(木) 2:08に書いた記事です。

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