HL-2K 1の7

 忘れていたわけではありません。ずいぶん間があきましたが、前回の続きです。


 まずは前回の3.5のタップ取り出し変更ですが、このように半田づけし直しました。多少でもマシかなと思うんですが…アップで見るとあんまりきれいではないですね。


 そしていよいよ1.8/1.9のコイル追加です。どうせ追加するんやったらとπLを画策したりしてみたんですが、Lが根本的に足りない場合には同調できないらしい?ようでうまくいきません。ダメもとだったこともあり、πLは断念して素直にπのLを延長させる形で追加することにしました。

 写真はT200-2に仮に巻いていろいろ実験しているところです。このあたりは暑い季節が来る前にやってたはずなんですが、忘却の彼方でしたのでやり直し。2.0mm2を14回巻き、3.3μH。


 まだ足りなかったので、1.25mm2を21回巻き、6.1μH。


 こんな追加せないかんのかなーと思いつつ、ほぼ同調が取れましたので本設へ。


 仕事関係で偶然ゲットしたガラステープなるものがあったのをふと思い出し、


 ご覧のように巻いてみました…が、下手くそですなぁ〜

 そして結構な値段したテフロン被覆の線を、


 目立たないように白を使って巻いてみましたが…1mでは足りません! でして、これまた下手くそになってしまいましたが仕方ありません(^^;

 そして本当ならガラエポ板が欲しかったんですが、パーツランドさんにはなかったのでベーク板で我慢…ってそれもまた薄いなぁ〜


 このように仕上げてみましたが…今ひとつですねぇ。


 これをこの場所に


 ある程度ガッチリ固定してみましたが、すでに狭いですねぇ〜

 そしてドライブをかけて試し打ちしてみたのですが、心配してた通りこの追加コイル部分で相当ロスっているようです。ピークではそこそこパワーは出るんですが、連続キャリアではすぐすーっとパワーが落ちてきます。でもスタックにするスペースもありませんし、小生のテクではここまでかな。真空管は涼しい顔してるし…と思いながらなおもドライブしてたら、突然「パン!」という音が。

 慌てて電源を切り、ファンが止まるのを待って各部を見てみるのですが、バリコン、コンデンサ、それにバンドスイッチやコイルにも、全然スパークした痕がありません。キーイング中やから電源部やないやろぅしなぁ…でもどっちかというと左側(電源側)から聞こえてきたような気もするし、念のため見とこかっとそっち側を開けたら…


 あらら、えらい派手なことなってますなぁ。音が出た場所は分かりましたが、こんなケミコン持ってたかなぁ。


 そもそもこのコンデンサ(図面内、赤丸)、なんでこんなパンクの仕方したんかなぁ。確かにメータは常にIgにしてますけど…逆電圧がかかったんかなとD13D39を調べてみましたが、こちらは正常です。


 よく分かりませんが、同容量の若干耐圧の高いものが新品で在庫してましたので、不細工ですがこのように対処しました。

 無理矢理こじつけですが、各バンドのデータ取りをしました。

f
[kHz]
P位置L位置Pout
[W]
Ep
[V]
Ip
[mA]
Ig
[mA]
Pdrive
[W]
18200.46.0800265078024080
19103.59.8800278072023080
35101.45.01000278065023580
38004.28.41000280064020580
70301.83.21000280060019070
101103.61.41000280062019570
140505.93.21000280060019570
181007.65.21000280060019570
210508.96.51000280061019070
240909.16.81000280060020070
280509.06.81000280064021575
290009.46.91000280062021575

 というような状態でして、3.5/3.8はまあ及第、1.8/1.9は(ピークでは1kW出ますので)ワンコールのみ可能だが実用性はなし、というところになってしまいました。→元々のコイルをほどいて巻き直すのも難しそうですし、根性なしですがもう諦めモードです(それでなくてもIgがオーバーしてますので)。


 さて次は、マルチメータをRFにしたときの振れが悪い件です。

 症状をおおざっぱにいいますと、50W通して50W指示、100Wで100W、500Wで100W、1kWで100W指示という感じなんですが…


 真っ先に疑うダイオードはok、コンデンサもok、接触不良もなし、パターン間のブリッジなどもなし、メータ自体の不良もなし、バンドが違っても症状は全く一緒なので恐らく回り込みなどでもなし…残るはトランスかそれとも回路自体が悪いかですが、まぁさすがに回路が悪いということはないでしょう。T1は電流を、T2は電圧を検出してるようなんですが、どうもT1とT2の位相が合ってない? なわけないか…ごちゃごちゃ考えるより一から作る方がずっと早そうなんですが、残念ながらその気力も出てきません。

 といいますのも…

 オーナさんから「もうそれ必要ないから処分して欲しい」と連絡がありまして。メータ回路修理と、最後にファンをもう少しどうにかして静音化してみようと思ってたんですが、ヤンペです。

 というわけで、どなたかこのHL-2Kいりませんか? ただしタマなし・現状渡しで。こんだけいじくり倒したアンプ、見ず知らずの人にはなかなか引き渡せませんので…でも引き取り手が現れなかったら、やっぱり某ークション行きでしょうなぁ。小生はこんな重たいのんよぅ使いませんし。

 ずいぶん時間がかかった割には、歯切れの悪い終わり方で何ともはや、であります。

コメント(10)

あけおめことよろ。
ダメだよ〜ん。せっかくそこまでやったんだから1.8〜1.9専用にして使ってくださいな。

書き忘れました。RFメータの指示が頭打ちの件ですが

1.入力側
基板で作ってあるから間違いようがないかな。T1かT2の配線が逆? トランスの配線切れ? なんでわざわざ二個に分けてあるのかな? 帯域を拡げるため?

2. 整流部
1SS97の不良。テスタチェックでは判らないのかも。C50 560Pは少ない。14MHzでXc=20Ω、1.8で158Ω。カソードのC50に発生する直流電圧をチェックして電圧が出ているようならOKのはず。出ていないようならダイオードかトランス。

3.圧縮部
1K60でメータの振れを圧縮しているのかなと思います。1K60とパラに入っている.01のコンデンサはRFの検波を防止するため?

VR2は一見、フルパワー時にメータが適当に振れるように調整すればOKと思われるが、実は直線性の補正だけでフルスケールは固定なのかも。VR2をいろいろ設定して振れを見てください。

4. 出力の先
基板の出力までRFが乗っているように見える。出力負荷が大き過ぎる? メータにシャントが入っているならそのあたりもチェック。

がんばってますねぇ〜。思った以上に根が深いのですね。

コンデンサが入っている部分には、ツェナーのバイアス電圧が(11V)が印加されるので、16V耐圧で足りなくなったんでしょうか。バーンと派手に壊れているのでもっと高い電圧が掛かったようにも思えます。よくわかりませんね。

1.9の追加コイルがそんなに多く必要とは驚きです。TL922でもそんなに多くないハズですが。

RF出力計は β教粗 さまがおっしゃっていますが、1K60の役割がダイオードの立ち上がりを利用し対数にしているのだったら、そのあたりが怪しいような。メータで相対的な出力最大点だけを見るのだったら、取り払ってしまっても良いと思います。プリント基板にキロワットを通すっていうのも、ちょっといただけない気もしますが。

お二方、早速ありがとうございます。今年も幼稚な内容が続くと思いますが、どうぞおつきあいのほどよろしくお願いいたします。

 β教粗さまからは早速お目玉をいただいてしまいましたね。それと追記で貴重なアドバイスも、ありがとうございます。なるほど1.8専用機ですか…バンドスイッチが壊れていたりするなら、その手も大いにありなんですが、さすがにちょっともったいなくないですか? ハイバンドにお出ましの方のところで役に立つ方がいいかなと思いまして。それにまぁ小生にはもっともっとお手軽なものの方が分相応でしょうし(^^; …でも、何かでRF部だけ作って、電源部はこれを流用するとかいうのも面白いかも知れませんね。もちろん引き続き引き取り手を募集中ですから、我こそはという方は「小生のコールサイン あっと ここのドメイン」にメールをいただきたく存じます。

 さてRFメータの件なのですが、

1) 二つに分けてあるのは、電流と電圧の両方を見ていて、アンテナがミスマッチ気味の時でもある程度正しく表示させたいというのがあるのかなとシロートながら考えてます。でもその割にはメータのスケールが寸図まりで、あんまり実用的ではなさそうですが。だいたいアンプのRFメータなんて(切り替えて見る場合は)絶対値はそれほど必要ないと思うんですが、どうなんでしょう。で、小生も疑っているのはトランスです。配線切れも含めて、あまり厳密にはまだ調べていません。とりあえずT2の二次側入力を浮かせて(T1だけ使うようにして)動作させてみたんですが、フルスケール合わせをしようと思ってた時に処分してコールが入ったものですから、とりあえず元に戻しました。なんせいちいちフタを閉めてアンプを動作させんと分かりませんので、ごっつ面倒なんですわ。他のアンプの出力をつなげばいいんですが、それはそれで面倒そうですし…でも真剣に追求するならその方がいいかな。

2) 1SS97はテスタチェックではなく代わりに他のもの(性質は全く違いますが1S1588)を入れてみたところ、状況に変化なしでした。C50って何するものなんでしょう? 小生は周波数補正的なものかなと想像してたんですが…外して静的にチェックしてみたところ、容量としては558pFで異常なしでした。動作させてそこの電圧チェックですね、4)の事もありますので、適当なメータをつないで動作させてみます。

3) 小生このダイオードの役割も全く分かってないんです。同じく手持ちの1N60に入れ替え(もったいない!)てみましたが状況変化なしでしたので戻しました。VR2は厳密にデータ取りしてませんが、頭打ちしたときの指示値が変わるだけで、頭打ちするパワーと状況に変わりはなかったように記憶してます。

4) この先は+-にパラに「背中合わせのダイオード」「0.01μF」「100μF」がついたメータの+につながってまして、-側は直接接地です。でもしっかり配線チェックせなあきませんね。それとRFが乗って頭打ちでこうなるのでしたら、パスコンをもう少し入れたりもしてみます。

 西村さん、お恥ずかしながらようやく続編です。まず、今記事を訂正しましたが、チェックしたダイオードはもちろんD13ではなくてD39でした。で、そういえばドライブしてるときに微妙なニオイがしてきてました。1.8でやってたんですが、RFが乗ってたんかも知れませんね。てことは、0.01だけでなく0.1とかも入れておいた方がいいかも。中の液体がない?(乾燥しきってた?)のが幸いでした。今度入れたのは耐圧50Vもの(ただし温度表記なし)ですので、少しは持ってくれるかなと思ってますが。

 追加コイルについては、やっぱりちょっと多いでしょうか。これでもプレートC、ロードCとも図面の値より多めにぶら下げてあるんですが。まぁ3.5で2ターン追加ですから、1.8では元のコイル形状だと4〜6ターンは必要で、それをこのサイズに巻いたらこれぐらいになるのかな、と。

 それとメータですが、なるほど、では最初に1K60をバイパスしてやってみます。これと0.01とで微妙な動きになってるかも、ってことですね。RFを基板に通すのは、他社でも結構やってますね。今回の場合小さい方のトロイダルに1ターン入ってる線の、左から入ってすぐ右がコネクタへつながっていますから、パターンを通るのは最低限になっています。言われてみればその線がちょっと細いような気もしますが、まあ一応考慮はされているのかなと善意に解釈しております。

 それにしても、長いこと店を広げたまんまやったものを夕べやっと片づけまして、少し部屋が広くなりました…ので、次はまた気が向いたらと言うことでお許しを(^^;;

あけましておめでとうございます。
正月早々ご苦労様でございます。
kw運用したいのですがAH-3は耐入力100Wですわ(^_^;)

こんにちは
杉山さんのご説明で、20kのVRと1K60は直流だけという感じですね。C50を大きくすると整流ダイオードに大きな電圧が掛かるのであまり大きくできないのかなと思います。
それで1K60にもRFが多少乗るので検波しないよう、両端に
0.01μFが付いているのだと思います。

トランスの二個使いは多分広帯域化のためだろうと思います。リニアによってはRFメータの感度調整のVRがパネル面に出ているものがありますね。T1は単なるカレント・トランス、周波数が高くなると全体的な結合が増加するので、T2はそれを逆相で打ち消して、周波数に対して出力をなるべく一定にする働きをしているのかなと想像しています。

あとメータ回路は保護ダイオード、0.01μF、100μFがパラになっているとのこと。保護ダイオードの短絡、100μFのリーク(と言うより短絡)あたりもチェックですね。

>どなたかこのHL-2Kいりませんか? ただしタマなし・現状渡しで。

電圧も高めとなっているんで4-400Aでも、ぎりぎりキロワットは出そうなんで、いろいろと遊べそうですね。譲っていただきたいのですが、例のPPアンプをほったらかしにしそうで・・。

モノバンドにするには確かにもったいない気がします。なんせ160だけが不都合なんですから。トロイダルコアを使わずにインダクタンスを増加させる方法・・・タイトボビンの中に空芯を追加するとか。

皆さん、ふたたびありがとうございます。小生明日から通常勤務ですので、今日のうちにと家の中の野暮用をいろいろ済ませてたらもう夕方になってしまい、もともと気乗りしないものですからHL-2Kの箱を開けるには至りませんでした。それでちょこっと調べてみたんですが、AG6Kの有名なSB-220への160m追加記事( http://www.somis.org/add-160m.html )では、もっと大きなトロイダルコアが使われているようですね(T-225A-2、 http://www.somis.org/add-160m-L7a.JPG の「L7A」)。ただ巻き数は160全体分で16回巻きですから、やっぱり小生のほうがだいぶ多いようです。厚みの差だけではないような?

 さて、「おっ、横井さんから欲しいコールかな?!」っと期待したんですが、さすがにAH-3へは突っ込めませんね(^^; 釣り竿アンテナでは免許的なこともさることながら、現実的にも難しい(QSYのたびに給電点でいちいちマニュアルチューンして、アンプのチューンもする)でしょうね。オートチューナの入った(そしてアンプ自体もオートチューンの)アンプという選択になりそうです。でもまぁ小生のようにダミーを温めて遊ぶという方法もありますよ。それにはすこし重たいですが…また気が向いたらどうぞ(^^)

 β教粗さま、なるほどT2は逆相ですか…そこまで考えが及びませんでした。確かにT1だけ使ったら振れが異様に大きくなってました。うーむ、まだまだ青いな…現象から逆に理解することすらできんようでは、何をやってるんでしょ。。。メータまわりの回路については、上のコンデンサパンクの図面に載っている通りです。ただ前述しましたように、厳密な実物チェックはしていません。他のモードではそれなりに指示していますから、メータまわりはokかなっと思ってたんですが、そもそもなんでここに100μFなんておおきなものが必要なんかもよく分かっておりません。確かにこのあたりも要チェックですね。

 いやー、西村さんとこに引き取っていただくのは奥様に大目玉をいただきそうで恐いです(^^; なんて冗談はさておき、もちろんそちらのPPを優先させて下さい。続編を楽しみにさせていただいておりますので(^^) 今のコイルの中にコイルを巻くのはどうかというご提案、以前に山崎さんからもコメントいただきましたが、相当苦戦しそうで試せていません。熱的には良さそうですが、巻き方向が限られるので、それほど巻き数は稼げんのやないかなと思いまして。でも必要なインダクタンスは分かりましたから、ダメ元でやってみるのも面白いかも知れませんね。

 それにしても…見れば見るほど狭いですね。まぁ922も似たようなものなんですが、嫌になってきます。

> それにしても…見れば見るほど狭いですね。まぁ922も似たようなものなんですが、嫌になってきます。

うーん、もう手放したいモードですね(笑)。

パワーセンサの所で書き忘れたのですが同じ機能のCMカップラだったら、T1のようにパワーを真ん中に通し、周波数補正はラインの電圧を二個のCで分圧、サンプルして行います。Cを使う方がT2を使わなくて良いのでコストダウンになるのでは?と思います。
トランス二個でも、わざわざ一度通したラインをもう一度サンプルするのはそういう理由だろうなぁと思った次第です。

それでは次のオーナーはん、ぐっどらっく。

ははは(^^; ま、RFメータの件はせっかくですから解決させたいなと思っておりますが、タンクコイルまわりが狭いのでそこをいじくるのはもう嫌やなと感じてるわけでして。実はあんまり書いてないんですが、追加Cを入れ替えたりするのもドライバが入らなかったり、タマ側の他の部品をいったん外す必要があったりと見かけ以上に面倒でした。

 そうですよねぇ、小生の僅かな見聞でも、たいがいはCで分圧、簡易なものなら抵抗で分圧ってのがほとんどで、トランス二段通しってのは見たことがありませんでした。

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この記事について

このページは、ji3kdhが2008年1月 3日(木) 22:22に書いた記事です。

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