HL-2K 1の6


 お待ちかね(誰も待ってない?)、こちらの続編です。

 写真はタンクコイル部分、施工前です。


 ずいぶん間があきましたが、情報収集などの作戦タイムをいただいておりました。といいますのも、同じ初期型と思われるものを新品購入なさったある方から、大変貴重な情報をいただいたのです。

 当然ずいぶん前のことになりますから記憶はおぼろげでいらっしゃるのですが、

「購入してすぐ真空管のトラブルでメーカに送り返したとき、『ローバンドの効率が悪いのでアルミ板を追加しました』と言われた。底から見た側に入れたらしいが、興味がなかったので良く覚えていない」

とのこと。また、その時メーカから出たテストデータも見せて下さいまして、それが左の図なのです。当時は上限500WでしたのでEpを下げた状態なのですが、これらは大変貴重なデータではないでしょうか! データでも明らか(データは「アルミ板」を入れた後とのこと)ですし、お話でもありましたように、メーカとしてローバンドの効率が悪いことは認めていたということなのです!

 これには大変勇気づけられました。つまりローバンドの効率が悪いのは、この個体特有のものではなく、少なくとも初期型(便宜上そう呼びます)に共通の事象だったということが分かったからです。もっともアルミ板ってなに?ではありますが。

 そして、そうと決まれば方向性が見えてきます。当初からLが少ないなぁと思っていた部分を改善、つまりLを増やす方向で話を進めることにしました。


 まずは3.5からです。最初コイルのタップを1.8のものにつなぎ替えたんですが、さすがにやりすぎでLが多い。で、面倒なのでプレートとアース間に2kΩ(出力インピーダンスのつもり)をパラにつなぎ、出力側にアンテナアナライザをつないでズボラすることにしました。まずは7以上で問題なく同調が取れることを確認し、3.5でタップを探ります。いやぁ、これは楽ですね! なんで最初からこれをせんかったんやろ(^^) というわけで決めたのがこの位置。


 例によって太いスズメッキ線がないのでエナメル線での処理です。残念ながら半田づけだけでのタップ接続なんですが、何かいい方法ないでしょうか。

 そして気になる結果ですが、1.2kW出力(Bird43にて測定)時にEp=2.8kV、Ip=0.6A、Ig=200mAというところで、ハイバンド同様タマも涼しく気持ちの良い状態になりました。厳密にはちょっとスプリアスなども増えているかも知れません(Qを変えましたから)が、効率悪すぎるよりかは安定動作が原則でしょうから、これで良しとさせていただきます。

 次は1.8に取りかかります。ほなどうすんねん? ってとこは、お楽しみに。(と言いながら小生もうまくいくかは?なんですが)

コメント(12)

ローバンドでLが足りないことが要因のようですね。1.9をどうされるのか楽しみ。タイトボビンにこれ以上巻けないので、トロイダルで追加とか?

西村さん、早速どうもです。いやホンマ、メーカから出たデータにビックリさせられましたわ。120Wも突っ込んで700Wとか750Wって…正味2本で600W程度しか仕事してないってどないやねん? でしたんで、遠慮なくタップ変更させていただきましたよ。

 で、1.8/1.9なんですが…部材は用意したものの、まだ物理的にどう収めるか全く検討すらできておりません(^^;;

いやぁ 原因判明して良かったですねぇ。やはりプレート負荷が少なかったんですね。と 同時に3−500Z 2本で500W出ればいいのだからメーカーとしては少々効率が悪くても球は大丈夫ですもんね。今みたいに1KW定番なら持ちまへんけど。

さて160m対策は昔のチックラーコイルスタイルぐらいしか思いつきません。π回路やから、そこのZは低いやろし、あまり気配りがいらんような気がします。

コイル周辺全部の配置と空間がわからへんから無責任な発言でっけどタイトボビンの中へ少し直径の小さいコイルを潜り込ませてインダクタンスの増加を図る。もしも、角度が変化できればインダクタンスが可変できまっせ。
コイルの巻き方向を間違えると増加せんと減少になりま。まあ、KDHさんのこっちゃから そのへんに手抜かりはおまへんわな。

昔々の漁業用中短波無線機とかWARII時代の飛1号とか地1号なんかの送信機空中線整合用コイルに使われてました。
コイルの中にコイルがあって中のコイルがぐるぐる回ってインダクタンスが変化するやつです。もっと昔は鉱石検波長中波受信の同調コイル、単球再生受信機の再生調整などもこれでしたよって実績はおます。

追加コイルの支持に一工夫いりまっけど片側はボビンのタップ、最終端はラグ端子追加かな?(タイトのんがあればグー?)追加コイルの巻き幅を変化させてもインダクタンス調整は出来まっさかい多少は楽チン?かな。

無責任な発言でお叱りを蒙らんうちに退散いたします。祈る 完全修理達成。妄言多謝。

山崎さん、おはようございます。やっぱしプレート同調のディップが判然とせず「どろ〜ん」としてて何じゃこりゃの状態はよろしくありません。マルチバンダのローバンドはどうしてもハイCになりますからブロードになるのは仕方ないんでしょうが、それにしても程度ってもんがありますよねぇ。

 いやぁ、それにしてもコイルの中にコイルを置く発想には至りませんでした! インダクタンスを稼ぎたい(=直角に置きたい)ですから、長細〜い巻き方にしましょうか。

 タンクコイルの中でコイルを回して同調させる方法は、以前は6mの3-500z×1アンプの製作記事で拝見したことがあります(探せば手元に本があるはず)。新しいところではJH2CLV望月さんが製作していらっしゃいますね。

http://www5a.biglobe.ne.jp/~jh2clv/pdf/3-500z6m.pdf

この方法でしたら絶縁も確保しやすいし、ロスも少なそうでいいなぁと思ったことがあるのですが、自分で実験してみたことは今までないです。いつか6mのものを作るときは、ぜひやってみたい方法ですね。

 なんて…いやぁ、実際はごっつ安直に考えてるんですけど、なんや(うまいこといっても)記事にしにくぅなってまいりました(^^;; ま、その節はどうか笑ぅて許してやって下さい。

タップの取り付け、細〜いメッキ線を使って縛っておくこともできないのでしょうか?

#昔、タンクコイルのタップの半田が溶けて短絡したことがありました。(^^;;;

コイルがぴったりめり込むぐらいに巻かれているので…そうか、タイトそのものに小さい穴を開ければいいんですな! 割らないようにうまくいけるか…次回チャレンジしてみます。アイディアありがとうございます。

タップの半田ではありませんが、昔々のCQ誌にJA1*Aさんが書いてはりましたけど入力500Wの終段プレートキャップが無かったので半田付けして使ったら熱の為に半田が溶けてアークを発生し、火事になりかけたという話が載っていました。半田は ほんま要注意でんな。

タイトボビンの穴あけは難しいでっせぇ。ダイヤモンドの針で低速回転やないと割れそうな気がしますが?
コンクリートの穴あけの要領が必要かも。(なんか別のもので実験してからのほうがええと思います)KDHさんは先刻ご承知でっしゃろけど。

山崎さん、ありがとうございます。プレート金具もついついやってしまいそうですね。6146とかでも気をつけるべきと聞いたことがあります。それからタイト、やっぱし難しいでしょうか。回転はごっつ落とさなあかんやろなとは思ってましたが、ダイヤの針はないなぁ〜… コンクリートの穴開けは振動ドリルでバリバリやるんですが、タイトは振動も厳禁っぽいですね。うーん…失敗は許されませんし、ご忠言通りどこかで練習台を探すことにします(^^;;

銅帯のようなもので配線し、放熱を良くするとか・・・。スポット溶接のような芸当はでけへんかなぁ〜。

今のところ、面とは言いませんが点ではなく線で接触さしてますのでその点は大丈夫(あんまり変わらない?)と思いますが、うーん、スポット溶接…

 ちょっと考えているところでは、コイル一周分無駄にして、隣り合う二本とで半田付けすればちょっとはがっちりするかな。それにしたって半田付けという点そのものに変わりはないんで妙案とは言えませんねぇ。

えげつない提案ですけど40m部分までは今までのコイルをそのまま使う。(昔やったら高周波ニスで固めるとか)
それ以降はエナメル線で密接巻きとか線間を狭くして巻いてタップを作り、配線をからげる。

かっこよく言えば可変ピッチのコイルにする。なんてのは如何。コイル外さな出来へんのが難点でっけどねぇ。穴あけよりはまし? 自分がやらへん思うたら無責任な発言で すんまへん。アイディア出尽くしで謹慎、蟄居いたします。

なるほど、3.5/1.8分を取っ払ってまき直す手もありますね! 謹慎なんてとんでもございません、貴重なアイディアありがとうございます。もうちょっと悩んでみます。

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この記事について

このページは、ji3kdhが2007年5月25日(金) 22:55に書いた記事です。

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