TL-922 1の6


 それにしてもこの個体(TL-922 1の○)、手を入れるのは何度目でしょうか。結構使い込まれているようで、久しぶりにお預かりして開けてみたら、タマのプリントが両方ともほとんど消えてました。


 まずは前からやっておきたかった、高圧ラインへの緩衝抵抗挿入です。

 いろいろな説がありまして高圧ラインの戻り(=GNDに近いので扱いが容易)でも良いようなのですが、現物を見てみますと高圧側のこのあたりにしかスペースはなさそうです。


 ここの渡り線の代わりに


 このように取り付けてみました。

 以前タマがフラッシュしたときこの抵抗が役に立ったHL-2Kではここに20Ω50Wが装備されていますが、今回は場所的な都合もあり、JH2CLV望月さん例(2005年1月10日)なども参考に、10Ω20Wにしてみました。

 なおこの抵抗、簡易な測定では4.4μHと出ましたので、RFCとしての動作はあまり期待できないかも知れません。重箱本に習ってディップメータで自己共振点を探ってみましたが、高すぎて測定不能なんでしょうかよく分かりませんでした。恐る恐る通電後、ダミーを接続して全バンドで試運転してみたところでは、何も異常はありませんでしたので良しとしましょう。

 ところで言うまでもないことですが、スタンバイ中であっても通電時は常時高圧がかかる部分ですので、実装には細心の注意が必要です。


 さて、次はいよいよ今回のメインイベント、スルー側の接点不良が頻発するという送受切替リレーの交換です。


 元の接点構成のままだとバキュームリレーを2個使うことになり、それではもったいないので何かいい方法はないかと思案し、入力側はリードリレーでやっているという話をおぼろげながら思い出して考えたのが左の図です。これは妙案!と悦に入っていましたら、どうもメーカ製のものもほとんど同じ構成のようで、そりゃぁそうですよね(^^;

 ところでこの構成ではアンプの入出力がかなり接近しますので、ゲインが高いものは特に、そうでなくても配置が悪かったりすると不具合が出るかも知れません。どうしてもダメなら2個使いでいくことにして、とりあえず安く入手できたリードリレーを使ってみることにしました。


 各コイルの電圧・電流あわせはこのようになります。(コイルの電流は、定格電圧で実際に動作させたときの実測値)


 もちろんそんなにぴったりとした抵抗値のものは入手できませんし、またその必要もないでしょう。両方のリレーは少し電圧が低くても動作するとのこと(注:追試の場合は要検討)ですから、近い値のもので進めることにします。(上記図面の( )内のもの)

 2015/10/4追記 : こちらに両リレーの興味深い情報があります! ぜひご覧下さい。


 こちらの注意書きによれば「バキュームリレーはショックマウントの上銅板で接地せよ」とありますが、基板なので前者は省略し、後者はご覧のように形だけのものとさせていただきました。


 それらをこのように


 組み上げて


 元々リレーがあったスペースに


 このように取り付けました。

 実はあまり細かく採寸してなかったので最初のままではなかなか入りきらず、上の写真から一部基板をカットしたりスペーサを5mm短いものに変更したりしています。


 リレーの横に取り付けられていた保安用のRFCは、邪魔なので広々としたこちらに引っ越していただきました。

 こちらの作業についても、全バンドで1kW出力を無事トラブルなしで確認できました。しかしここまでやると、もう一つ残ってるバイアス用リレーをできれば無接点化したいところですね。今後の宿題、とさせていただきます。


 こちらは撤去したリレー。ビス一本でこの状態になりますので、接点を手入れすればまた使えるようになるのですが…許可をいただいておりましたので、撮影後間髪入れずゴミ箱行きとさせていただきました。

コメント(6)

デカイ送受切り替えリレー、捨てるのはもったいない。
AC100/200切り替え端子スペースに入れて、ステップ
スタート用としましょう。というワタシもまだ手付かずですが。

http://www.somis.org/D_a_01.jpg
http://ultra1.homeunix.com/tl922/mod5-step.htm

早速のコメントありがとうございます。ご紹介いただきました記事は了解してたんですが、接点の状態があまり良くないので捨てました。この手のリレーは多少在庫がありますし。それとフィラメントのステップスタートのところでも触れたかも知れませんが、リレーだけで時限を持たせるのは個人的にあまり好きではない(接点が踊る、電圧変動で誤動作する、等々)んです。

なるほどね。確かに、リレーはデジタル動作(駆動コイルには電圧onかoffかいづれか)で、中途半端な状態にならないようにするべきなんでしょう。トランジスタやFETで駆動しないでSCR,UJT,PUTでやるのが信頼性面で良いのは感覚的に解ります。

ウチのファンディレーに使っている回路、Tr+SSRですが、遅延時間最後はバシッとoffにならず、中途半端な領域があり、2〜3秒間ジジジとACファンから音がでますから。

フィラメント遅延リレーの余っている接点を用いて、ACリレーを駆動すりゃいいかも。

お説の通り、この手のものはonかoffかしっかり決めてやった方が長持ちすると思います。それにしても、なるほどそうですね! フィラメント用のタイマ、小生は今まで2接点のものしか使ってきませんでしたので気づかなかったのですが、4接点のものなら流用可能ですね。抵抗とパワー接点の挿入箇所に注意する必要があります(高圧用トランスのすぐ近くに入れる)が、やってみる価値はありそう。

リレー接点を並列にすると電流容量が倍になりそうですが、リレーの仕様書を詳しく読むと2つの接点が完全に同時にon/offする訳ではないので、そうならないとありました。メカニカルリレーを使いこなすのも結構難しいですね。

そうですねー、より大きい電流が必要なら、最初からそれ相応のものを選定するのが通常でしょうから、その目的での並列使用なんて想定にないんでしょう。並列に使うのは接点が確実にon/offして欲しいときなんですが、それも普通はあまりしません。ツイン接点というリレーそのものが存在するからです。( http://www.fa.omron.co.jp/guide/faq/detail/faq02783.html )

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このページは、ji3kdhが2009年4月 5日(日) 17:01に書いた記事です。

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