不具合発生


 前回の作業からさらに2時間、マニュアル通りまずは10W機として組み立てての動作チェックに入ったんですが。


 このようなエラーが


 出てしまいました(要するにVCOの部分的なアンロック)。


 マニュアルによれば、まず接触不良やパターン面のシャーシへの接触を疑えとありますが、それらは何度見ても問題なさそうです。

 写真は疑わしいKSYN3(右)とKREF3(左)の両基板。

 いろいろ調査中でしたのでKTCXO3のインシュロックは外してあります。

 ちらっとネットで調べてみると結構この事例はあるようで、勝手にいじくるのはやめて素直にサポートに問い合わせてみました。やはり噂に違わぬ素早い対応で、時差の関係で即時というわけにはいきませんがこちらの時刻で翌朝には必ず返事があります。返信の内容をかいつまんでみますと。

・まずKSYN3とKREF3それぞれがシャシに接触していないか今一度確認して欲しい。基板とスタッドの間にスプリングワッシャは入れてくれているか?
・両方の基板のパターン面やコネクタまわりのハンダのミスなどが見あたらないか、注意深く見て欲しい
・不具合のありそうなKSYN3の代替品をすぐ送る用意がある
・K3 Utilityのこれこれの画面にしてVCO Calを実行したあとに出てくる文字列を添付して送って欲しい


 スプリングワッシャもちゃぁんと入ってまっせぇ。これ、ちょっとサーカス的なことをせんといかんので、忘れるはずがありません。

 その点と、K3 Utilityの件は最初聞いてた画面に何も出ないのでその旨返信したところ、また翌朝すぐ返信がありました。

・申し訳ない、しばらくその画面を見ていなかったので間違っていた。これこれこちらの画面が正しいので、そちらで見てくれないか
・マニュアルにあるADC REFメニューをチェックしてみて、その上で再度VCO Calをしてみて欲しい
・両方の基板やケーブルに異常が見あたらないようなら、すぐにでもKSYN3を送る手配をする
・ついては、購入時のデータベースからそちらの情報を見つけられないので、送付先住所を教えて欲しい


今度は指定された通りそれらしい文字列が得られたので、「だいぶ見たけど目視で分かる不具合は見つけられなかった。基板・ケーブルとも各々3回ずつ抜き差ししたが変化なかった。またADC REFメニューでも、四捨五入して0.01Vあわせ込んだが結果は同じだった。また、FCCのライセンスを持ってないのでコールサインは未入力だった、これこれこういうデータを見て欲しい」というメッセージと共にその文字列を送ったら、さらに翌朝返信がありました。

・データを見せてもらったところ、やはりKSYN3が悪いと判断したのでそれの代替基板を送る。もう手配したので追っつけ届くだろう
・その基板が届くまでの間、PLL1エラーの出ないバンドは普通に使える。ディスプレイでVCO制御電圧を見てもらって、0Vまたは7.1Vの表示と共にアスタリスク(*)が出ているとダメだが、それ以外なら大丈夫なので使っていて欲しい


とのことで、いとも簡単に代替基板を送ってくれることになりました。

 写真はそのVCO制御電圧を表示させたところです。

 このエラー、本機の場合VCO Calをするたびに違うものが出てきまして、その結果によって使えないバンドがあったりなかったりします。とりあえず1.8はいずれのパターンでも大丈夫そうなので、次は時間ができたときに100W化に進む予定です。

 ところで第三便には「Thanks for your help and cooperation too.」ともありました。すんなり行かないのもまた楽しみ、そしてこのようなやりとりもまた楽しみの一つということで。なんぼ軽量機とはいえ本体まるごと送り返したりとなるとちょっと面倒やなと思ってたんですが、そこはさすがのキット、そして全編にわたるディジタルコントロール機のなせるワザですね。いや、逆にそこが素人には手出しできない部分でもあるわけですが。

 まだしばらく「組み立て」で楽しめそうです。

コメント(4)

こんばんは。今日母港復帰です。

早くも完成直前のようですね。素晴らしいファイトに感動してます。
トラブルに対するメーカー側の対応もなかなか早いようでFBです。
この辺の処理が私と大きく違うところで、外国語音痴にはとても真似ができません。
今後の展開を楽しみにしております。

お帰りなさいませ。大変だったことと安易に想像いたしておりますが、まずはご無事で何よりでございます。ブログの方にコメントさせていただきましたが、どうかご無理なさらぬよう、ボチボチまいりましょう。

 ちらっと触ってみたところでは、K3、なかなかいいですね。こんな無線機触ったことないので余計です。カルチャーショックとでも申しましょうか…こんな案配ですから極めて低次元な話であります(^^;;

「キット」というジャンルの商品、ユーザーサポートを効率的にするために、自己診断機能を備えているのですね。
こうなると、作る側は高周波の技術的能力よりも、英語でうまく症状を伝え、やりとりする交渉力のようなものが必要なんですね。

そうですねー、今回の場合はたまたま良くある事例だった(らしい)のでまだ何とかなりましたが、メーカ側にデータがないことを訴えなければならなくなったら、たちまち困ってしまいます。その点、ここのこのデータを送ってくれっていうのはなかなか良い仕組みですね。メーカ側としても、何でもかんでも本体を送ってこられるのはやっかいだというのもあるんでしょう。

 自己診断機能といえば、アルファのリニアアンプは、本体をネットに接続すれば、アルファの技術者が直接内部をチェックできるようになっているそうです。たとえば「こちらで確認の結果送受切り替え部分が異常なので、これから送る基板と入れ替えて欲しい」などなどの対応なんだそうで。過去の機種でも、87などには数万円でこの機能を組み込むことができるオプションも用意されているとか。

 日本のアマチュア無線機メーカにこのあたりのことを望むのは、費用的に無理があるのかな…頑張って欲しいものですが。そもそもファームウェアのアップデートがこんなに簡単にできてしまう(しかもその結果、内容によっては受信性能にも改善がある場合あり)こと自体、驚きです。

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この記事について

このページは、ji3kdhが2010年3月25日(木) 23:33に書いた記事です。

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