HL-166Vの修理 1の1

 のバンド的にはまさに今が旬なんですが、そんな中『久しぶりに使おうと思ったら全然使えない』とのことでお預かりしました。
 もちろん今シーズンには間に合わない(というかいつになるか分からない)し、そもそも直るかどうかも分からない、といういつも通りのことはご了解いただいてます。


 自分的にはこのモデル、見るのすら初めて。当時新品で購入なさったとのことですが、結構いいお値段したんではないでしょうか。
 症状やご要望をいろいろお伺いしてるんですが、まずは『つないだら全然聞こえない(受信できない)』というものから見てみることにします。


 送受切替リレーの接点不良とかそんなだろうなと思いながら、まずは通電しない状態でテスタチェックしてみたら、意外にも非通電状態ではどうもなさそう。
 で、虫の知らせもあって電流制限した上で通電してみたら、なんとそれだけで1A以上流れてます。
 なんじゃこりゃ…よくよく見てみたら、何にもしてないのに(通電しただけで)RL2と6がONになって送信状態に。そりゃ聞こえませんよね。


 キャリコンまわりも含めていろいろ見てみましたところ、リレーをドライブしてるこのトランジスタ(Q6)が怪しい。ベースに13Vかかってるのにコレクタにも13Vが現れてる。


 外してチェッカにかけてみたら…あれ、問題なさそう?


 おかしいな、そんなはずないのになと思いつつQ7も外してみてみたら、こちらも見かけは大丈夫そう。うーん、どういうこっちゃ?
 これらを外してる間に周辺の部品を調べてみたところ、R25,27,28,29,D13はいずれも大丈夫そう。


 で、これ触ったことがある方なら分かっていただけると思うんですが、基板をひっくり返すだけでも結構面倒なんですよね。
 なので、とにかくQ6とQ7を両方ともそれなりのものに交換して動作させてみたら…どっちが原因だったのかは分かりませんが無事ちゃんと動くようになりました。
 チェッカで判別できなかったのはちょっと解せませんが、動的なことってことなのかな。


 あとは、後々のご要望のためにはこの状態ではとてもよろしくありませんので、接続先の状況をお伺いし


 それに見合った形状に加工させていただきました。
 ここ、30A程度流すので本来なら電線そのものをもう少し太いものにしたいところ(現状3.5mmsq)なんですが…まぁそれは今後の状況を見てということにします。
 何しろ、そこへたどり着くまでにまだまだやらなければならないことがありそうですので。(つまり、当分楽しませていただけそうという楽しい状態)

コメント(4)

例のTS-770の430MHzのファイナルがどうも飛びまして、テスターのダイードチェッカーで測定(コレクタ外してます)すると正常なのに、それより高い電圧(9Vの電池)をかけると、NPNなのに、C->Bが導通してるという事もありました。測定時と実装時の電圧の違いですね。けど、この中途半端な壊れ方、どういう壊れ方なのか、いまいち理解出来ていません。(定電圧ダイオードみたいになってる・・・、不純物のクサビが入るんですかね、よくわかりません。)

 ファイナルやドライバだと「ちょっと交換してみるか」なんてなかなかやりにくいですし、そういう故障の仕方はやっかいですね。しかし006Pでのチェック、なるほどそれいただきます!
 今回のこの個体、お伺いする限りでは大して使われてないらしいんですが、どうしてこんなにいろいろ壊れるのか不思議です(他にも複数箇所の不具合あり、楽しませてもらってます)。770ほどではないにしても、単純に古いってことなんでしょうかね。

あちこち壊れてるのは、ひょっとして、電源を逆接続したということは無いですかね?HL-66Vは、回路図が落ちていたので、眺めたら、逆接続保護ダイオードが入ってましたけど、HL-166Vはどうなんでしょう?Vceoは耐圧高いですが、Veboは耐圧低いTRが多いです。

 なるほど、確かに166Vにも逆接防止用ダイオードは装着されてないですね。電源スイッチのすぐ後ろにIC(OPアンプ)がつながったりしてますから、逆接が諸々の原因ではないような感じもしますが、いずれ電源まわりに手を入れる予定ですのでその時一緒に入れておくことにします。ありがとうございます。
 いろいろ壊れてますが、実は怪しいから交換しただけのもあります。その中で明らかにおかしい雰囲気なのは2SC2603でして、ひょっとしてこの石特有の何かがあるのかもと思ったりしてます。さすがに全数交換までは今のところしてませんが。

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この記事について

このページは、ji3kdhが2021年6月 6日(日) 20:00に書いた記事です。

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