HL-166Vの修理 1の9


 変わらず暑いですが、今の時期にやらないといつになるやら状態ですので、合間を見て取り組ませていただいております。

 まずは突然ですが


 前回から同軸やパワー計を替えて再度データ採りしてみましたところ、いつもの43+250Aでご覧の通り200W+が得られました。これだとTS-590Sの100W時90Wを指示してますから、80Wを指示した前回の4410よりはマシかなということで。

 電源電圧 [V]  出力 [W] 
13.8180
14.3190
14.5195
14.7200
15.0205


 とりあえず200Wはクリアできましたが、このままではプロテクトがかかり気味なのと、電源リレーまわりのロスを減らしてもう少し動作電圧を下げたい、という2点について考えてみます。
 前出の参考記事ではリレーを増設なさってますが、それらに与えられたスペースはこちら。


 自分的にはリレーもそうですが、それよりも小さいヒューズが気になって仕方ありません。あそこに20A以上も流すかな。
 で、30A定格のヒューズホルダとヒューズを手配してみたんですが…デカい(^^; さらに直流30A定格のリレーもとなると、とてもスペースに収まりません。ちなみにLY2は定格10A、2接点をパラにすれば20Aとも読めますが、いずれにしても厳しい。
 ならばSSRでいいのがないかと物色しましたが、直流定格のはほとんど皆無で、たまたま手持ちにあったご覧の10A定格のものですらこんな大きさ。


 ちなみに写真の順序が入れ替わりますが、元々入ってるヒューズとの大きさ比べはこんな感じ。


 それで、以前から興味のあった『on抵抗の低いMOSFET』を使ってみることに。関係記事は各所で見受けられますが、その中で参考にさせていただいたのはこちら
 …でもねぇ、これ素子そのものは60A83A流せるらしいんですが、それをどうやって実装する? ネット上ではこんなのもあるにはあるようですが、デカいし初期値でも結構な抵抗値あるし、何より一個単位ではとても入手できなそうでとにかく非現実的。


 なので、良くないだろうなと思いつつ広めのプリント板に半田付けでやってみます。
 いきなり組み込む前に、同じ太さ(3.5mmsq)のケーブルでプラス側だけ仮に作成して実験。


 プラスの二次側は両トランジスタの中間めざしてここへ、これまた半田付け。
 電源電圧 [V]  出力 [W] 
13.8175
14.3187
14.5192
14.7197
15.0203
 …あかんやん。やっぱり半田付けの箇所が増えたのがまずかったのかな。


 残念ですがでっかいヒューズ作戦は企画倒れということで、断念。

 そのついでに気になってたこちら、なぜか一部ヒューズを通ってない回路があるというのを修正しておきます。


 あんまりきれいではありませんが、逆接防止策もなかったので同じくヒューズの二次側に1N5401(100V3A)を入れておくことに。


 それらが干渉してないことを確認。


 動作試験中にここの抵抗がかなり熱を持つのが気になったので、気休めですが少し間を開けておきました。

 企画倒れは残念でしたが、ここまで来るとあともう少し。
 次回は、電圧を上げて動作させたときにプロテクトがかかってしまうのを何とかしてみたいと思います。

コメント(4)

もしかしたら、ゲートが開ききっていないのかもしれません...
無線関係は少し...なのですが、そのほかにも送信段からの高周波ノイズのせいでFETの漏れ電流が大きくなっている...とかもありえると思います。

それでは、よろしくお願いします。

 ありがとうございます、そこはチェックしてなかったです。さすがにFETで電圧が14Vもあれば大丈夫だろうとタカをくくってました。ちなみにこの小ささの放熱器の状態で22Aを流しっぱなしにしたり断続したりしましたが、発熱に関しては皆無でした。
 出力データを見る限りFET内部ではそこまで電圧降下してないみたいですが、新品で開ききってなかったとなるとFETそのものの不良があるかもですね。(手抜きして負荷直近での電圧測定は割愛しました(^^; )

ありがとうございます。

>>FETそのものの不良があるかもですね。
確かにそうですね。
(fetは10~30mΩぐらい内部抵抗があったような気が.....)

 はい、今回使った2SJ607はON抵抗が低いというのが売りのようで、かける電圧にもよりますがほぼ10mΩのようです。
 こうなってくると素子そのものよりもそのまわりの接触抵抗なんかの方が気になってきますよね。半田付けですとピンの前後だけで4箇所にもなりますし。で、こりゃ企画倒れだわとなった次第でして。
 …あれ、今考えたら基板はしっかり磨いたけどFETの足を磨くのを忘れたような。それやこれやでもうちょっとやりようあったなぁ、と今さらながら悩み中

 ただ、このやり方(ハイサイドスイッチというんだそうで)は面白いですね。当たり前ですがリレーのような大きな音は皆無なので、ここまでシビアでない用途ではぜひとも使ってみたいなと思いました。

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この記事について

このページは、ji3kdhが2022年7月 7日(木) 22:15に書いた記事です。

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