TL-922 1の3


 以前整備したTL-922が出戻ってきました。今、もう一台別の922も入荷しており、お正月休み中に完了するかは微妙です。


 今回は不具合があって出戻ってきたわけではないのです。作業内容その3は、スタンバイコントロールの低圧化(ソフトスイッチ組み込み)です。世間でいろいろな方法が紹介されていますが、送受リレーそのものを入れ替えるのは大げさですし、新たに小さいリレーを追加するのも、僅かではありますがその応答時間が気になります。また、接続する無線機が決まっていれば、そのACCなどに出されているTX+Bなどを利用するのもいいんですが、やっぱり相手を選ばずユニバーサルに行きたいところです。

 そこで、昔あるRBBS下間さんが紹介されていたフォトMOSリレー、これの高耐圧版を格安で入手しましたので使ってみることにしました。オムロンG3VM-351Dというのがそれなのですが、我々シロートには351A(DIPタイプ)の方が使いやすそうですね。まぁ安かったので仕方ありません。


 相変わらずの手書き図面です。上が元の回路(自分なりに分かりやすく書き直し)で、下が組み込み例です。

 データシートをご覧いただければ分かりますが、LED側に何mA流すのに何V必要なのかがよく分かりません。単に(目に見える)LEDを灯すだけなら「ええ加減」「こんなもんやろ」でええんですが、接点側との兼ね合いもあり、仮に接続して測定してみました。10mAを目標にいろいろやってみましたら、10.8mA流したとき電圧降下は1.17Vでした(つまり、抵抗と見なせば108.3Ω同等)。また、ついでながらこの時の接点側のon抵抗は31Ωでした。

 これを元に電流制限抵抗を10kΩとし、また無線機からのコントロール端子に出てくる電圧を落とすために220Ωで「プルダウン」して組んで測定してみたところ、端子には1.8Vがかかり、コントロール時の電流は4.4mAと手頃なものになりました。もちろんこの220Ωは1kΩ程度でも問題なく、その時は端子に10V程度かかると思います。また、LED側の感度は結構あるようで、短絡ではなく間に2〜300Ω程度の抵抗があっても接点側はしっかりonしています。さらにその接点抵抗も、30Ω程度ならば922の大きなリレーをonするのに全く問題ないようです。

 また簡易な方法で組み込んだ関係上、フロントパネルのスイッチをSTBY側にしてリレーを動かないようにしても、コントロール端子には電圧がかかり電流が流れます(今回実測5.0mA)。リレー追加と違って何も音がしないのでそのままにしていますが、これを嫌うならSTBYスイッチまわりの接続を変更しなくてはなりません。

 今回のものをこのままコピーなさる方はまぁいらっしゃらないと思いますが、今回使用したフォトMOSリレーは耐圧350Vのものです。あとLED側に逆向きに入れたダイオードは、単なる趣味の問題ですのでご参考まで。


 ここのスペースに「貼り付け」てみました。


 相変わらず太い配線です。どうしても100Vレベルと考えると、被覆の薄いのは生理的に拒絶してしまいます。


 実験に使用したものがそのまま現役に。なので、あまり大きく拡大しないで下さい(^^;

 しかし考えてみたら、今回のような用途ではフォトカプラや普通のトランジスタでも良かったですね…それと、回り込みなどの検証はまだ簡単にしかしてません。対処療法でどうにでもなると安易に考えていますが、どうでしょうか。

 ちなみにこれまでの経緯はこちらです。

TL-922の調整 (1の1…1kW化)
TL-922その後 (1の2…フィラメントまわりの改善)

コメント(8)

これって昔のSSR(ソリッドステートリレー)を思い出すなぁ... フォトカプラで、出力側が高耐圧のFETなわけですね。

922はスタンバイ入力端子にイキナリ100Vとかの電圧が出ていてぴりぴりしますもんねぇ(笑)。私はスタンバイ回路のOCにはたくさん在庫のある2SD560を多用しているのですが、VCBO150V、VCEO100Vなので、アマチュア的には使えるでしょうがTL922にはちょっと怖いかな。

片岡さんが書かれた方法は部品点数、信頼性、コスト(安いらしひ)の点でFBだと思います。

良い人さま、コメントありがとうございます。はい、そういうことなんです。耐圧と電流計算さえきっちりすればトランジスタで何ら問題ないし、この使い方ではここにフォトインタラプタを選択するのはある意味間違いでもあるんですが、「LEDを灯す」と考えれば小生のような素人には大変考えやすいわけでして。(SSRのようにACをon/offできるかは未調査)

 このデバイスを最初に教えていただいたのは、エレキーのキーイングにってことだったんです。そこであれば絶縁しがいもあるし、真空管式の無線機をも無差別に接続できるということで、いつかは触ってみたいと印象に残ってた、というわけです。なので値段については、正規に購入するとそこそこかかったんやないかな。ま、部品点数が少ないというのは確かにありますが。

 それと後日談ですが、ダミーを接続して試した限りでは、回り込みなどのトラブルは皆無でした(当然か^^;)。

始めまして、今更ですが922の球が逝ってしまった機会にこちらを真似て対策を致します。

初めまして! コメントありがとうございます。922をお使いなのですね。拙記事をご参照いただけるとのこと、お恥ずかしい限りですがその他の922関連の記事も併せてご覧いただければと思います( http://www.2333.net/~ji3kdh/weblog/mt-search.cgi?tag=TL-922&blog_id=1 )。

 完全な私感ですが優先順位としては、1)フィラメントのステップスタート 2)フィラメントの接続順変更 3)高圧ラインへの緩衝抵抗挿入 4)グリッドの直接接地 5)コントロール端子の低電圧化 6)送受切り替えリレーの交換(4〜6は必要に応じて) というところでしょうか。

今晩は。パーツ屋さんが近くに無いので本日2ヵ所に注文しました。全部揃ってから1〜6まで行う予定です。
他のリニアの残骸もあるのですが922だけは動くようにして置きたいと思っております
後ほど922のタグ拝見させて頂きます。

おぉ、素晴らしいです。こちらは6)の宿題、もう一つ残ってるリレーの無接点化をやらねばと思いながらなかなかです。うまくいけばこの冬中に…(といいながら早○年^^; )

 続編、勝手に楽しみにさせていただきます(^^)

今晩は。922タグ拝見致しました。
バンドスイッチや電源のスイッチも今のところは大丈夫なようですが予備が必要かと思いますし、ブログの中でも気になったのが送受切替部分のリレーにダイオードが、、
それが私のVerには入っているのかどうか次回に確認してみようと思います
パーツ屋さんからのメールで一部の商品が年明けの出荷と連絡がありました、焦るなという事だと諦めてボチボチと手を入れていきます
922用の電源スイッチはまだ在るのでしょうか?

すべてを一気になさるなら、そこそこ歯ごたえありそうですね。

 お尋ねの電源/モード用スイッチですが、そうそう壊れることはないものの、いざとなると外観に関わるだけに困りそうですね。先ほど探してみましたら3つだけ手持ちがありました。もしご入り用でしたらどうぞ。

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この記事について

このページは、ji3kdhが2007年1月 2日(火) 12:48に書いた記事です。

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