ビバレッジ用マッチングトランス


 写真は去年購入してWW-CWで割といい感触だったK1FZのKB-1です。

 これに不満があったわけではないのですが、いろいろやりたいこともあってとりあえずもう一つ欲しくなりました。しかし同じものを買うのも芸がないので、自作してみることにしたわけです。


 その前にある部分をカンニングしたくて、こそっとフタを開けてみました…んん? 確かにでかいトロイダルですが、この巻き方(全周に均等でない)はよろしくないんでない? それと、あるという話だった「親切設計」の雷対策も、残念ながら見あたりません。そこをカンニングしたかったんですが…


 などと揚げ足を取りながら部品を集めました。問題のコアですが、こちらで紹介されているのと同じものが、某所でJE1CKA熊谷さんによって頒布されてましたので、お安く複数個分けていただいたうちの一つです。

 それ以外の部品は日本橋で普通に入手できるものばかりです。箱はもう少し小さいものでも良かったんですが、まぁ初号機なんでいいでしょう。左端のネオン球は、件の雷よけのつもりです。


 1回・3回でもええんちゃうかとも思ったんですが、イチビるのはやめて紹介されている通り2回・6回巻きました。まぁ想像以上に穴が小さく、思っていたより細い線材を使わなくてはなりませんでしたが、何とかギリギリ巻けたのがこちらです。


 そして組み立てたのがこちら。頭の中では、コアをめいっぱいコネクタの近くに置いて、少しでも50Ωラインを短くしようと思ってたんですが…ボーッとしててど真ん中に配置してしまいました(^^;


 どこまで効果があるかは疑問の、雷よけ。ちなみにこのネオン球、C分は0.5pFと出まして、これが大きいか小さいかは意見の分かれるところかも知れませんね。


 440Ωの抵抗をぶら下げてアンテナアナライザで簡易にチェックしてみましたところ、(下は1.7MHzまでしか測定できませんがもちろんそこまでok、そして上は)10MHzまでは全くフラットな状況で、そこから上がると少しずつインピーダンスが乱れてくる感じでした。これをどう評価すればよいか分かりませんが、おそらくコアの性能そのものと、コネクタからコアまでの線が長いことによるものではないかと思います。

 ちなみにKB-1を同条件でチェックしてみたら…3.8MHzまではokですが5MHzくらいから乱れだし、7MHzは厳しいかなーっという感じでした。まぁそんな高い周波数で使うわけではないので問題ないのでしょうけど、ノイズ的にどうなのかは興味あるところです。


 そして何よりも実戦でどうかというのが非常に興味あるところですね。


 ちなみにKB-1は端子同士が近すぎて寒空の下での作業が若干しづらかったので、今回のは少し間をあけてみました。

 もちろん今回の記事はKB-1に文句を言っているわけでは決してありません。先述の通り不満は全くありませんし、これに出会っていなければ去年のWW-CWは全く楽しめていなかったことでしょうから。

 そしてこのような場所ではございますが、記事のご紹介をいただいたJA7AO松本さん、JA5DQH奈木さん、コアを分けて下さったJE1CKA熊谷さんに改めてお礼申し上げます。

コメント(11)

めがねコア興味あります。続編期待しております。去年RPT君が買いませんかと誘ってくれましたが、今のYAAにあってもしょうがないと、残念ながらキャンセルしました。
 YAAではトロイダルコアにトリファイラで1:9トランスをつくったのをUS向け、市販のカップラーを使ったのをEu向けに張っておりました。Eu向けのほうが安定していましたが、それがマッチングセクションに起因するものかどうかはわかりません。今もありますが、周辺の建物とノイズが多すぎて、無用の長物と化しています。

続編…今度のイベントで出番があるかどうかは微妙なところですので、あまり過度な期待はなさらないで下さい(^^; ちなみにもしご入り用でしたら、内緒で融通も可能です。

 紹介記事にございます通り、ここ数年(もっと前から?)のトレンドは、三重巻き(トリファイラ)から四重巻き(クオドラファイラ?)へと移っているそうです。アース側が直流的につながっていると、そこからノイズが伝達されるのではないかということで、K1FZのも四重巻きになっています。また今回のようなメガネコアタイプもしっかり縁切りできますから、その点でも期待できそうです。小生は以前までフェライトバーに三重巻きのものを使ったりしていましたが、それが原因か分かりませんが全くうまくありませんでした。

 市販のカップラーもお使いだったとのことですが、ノイズ最大点に合わせていらっしゃったのかな? なかなか難しそうなワザですね。それにしてもおっしゃる通りでして、この手のものは明確な違いがなかなか分からないですね。常設してじっくり比較すれば分かってくるんでしょうけど、小生は現状それができませんので、皆さんの「これはいいよ」を信じて大いに参考にさせていただくしかありません。

 今ちまたでツイストペアケーブルの短縮率を利用した短いビバレッジの可能性について、興味深い記事が挙げられていますので、そちらについてもいつか実験してみたいなと思っています。

http://6301.teacup.com/tok/bbs/2562
http://www.radiobooks.com/products/sv2bevsys.htm

同軸や電話線などの短縮率を利用したアンテナというのは、私の劣化しつつある脳細胞では理解し難いものの一つです。ローディングによる短縮、容量負荷による短縮などは、すんなり頷けますがこの短縮率を利用したアンテナなるものは未だに釈然としません。

疑問点を書かないまま終わりました。すみません。

なぜ釈然としないかというと、ツイストケーブルを給電線として使う時の速度係数と単なるアンテナ線として使用するときの速度係数は同じか?ということなんですが。同軸でも同じですけどね。

小生などはもっと何も考えておりません。並列にCが入るということは、直列にLが入ることと同等なんかなと何となく思っておりました。速度係数については、空中でも電線中でも同じというのが解せんということですね? その点は両者の数値は少し違うのかな、違いはするものの短縮率そのものはどちらにも存在すると言われれば、なるほどそうなんかなと何となく受け取っております。

 まぁ現実としてはゲインとS/Nでどこまで納得できるか、というところでしょうか。でも小生の場合は、まだまだシンプルなビバレッジを何とかものにするのが先決なようです。

カップラーについては何も考えていません。小電力で送信してSWRが低ければよしとしていました。GNDはDC的に導通です。切り離してS/Nが良くなるという話、あり得ない話ではないと思いますが、元々ノイズが多い環境ではでは実感不可能でしょうね。YAAではフロートバランやパッチンコアだらけですが、S/Nが良くなったと感じたことはないです。

いやー、確かにおっしゃる通りでして、鬼耳の皆さんは山の中にぽつんと、っという環境の方が多いと思います。上を見たらキリがないとはいうものの…

 小生ふと気づいたんですが、同軸だけで(受信アンテナをつなぐ手前で)中波が聞こえるかどうかのチェックをしていませんでした。小生の場合古いものを使い回していますので、受信用のケーブルを新調するのも一興かも知れません。

そんなん 聴こえたらアウトでっけど少々古かろうと普通は聴こえまへんやろ。うちでも一番強いNHK2、OBCとも聴こえません。10年は経ってますけど。

はっはっは、いやーしかし小生のも10年以上(15年ぐらい?)たってますし、細いほっそい5D2Vですから怪しいもんです(^^;

今日の160mBBSで給電線短縮率でアンテナ長を計算するのは? というコメントがありました。以前、Wの人が同軸の短縮率を利用した短いカウンターラジアルの発表もON4UNが?を付けていたように思います。

話は変わりますがクラニシが不振で止めた件、INFO有難うございました。やはり既製品頼りで測定器などを振り回すような自作という面倒な遊びは流行らなくなったんでしょうね。ちょっと寂しいです。

そうなんですよ、同軸のラジアルについては複数の箇所で見たことがありましたから、それと一緒なんかなとも思っておりました。それにしても、それぞれがエレメントとして機能するには波長に対する間隔があまりにも狭すぎるし…それほど効果があるなら、かなりの方がすでにやってるはずですし…とりあえず今月のイベントは前述通りシングルワイヤでやってみます。

 クラニシについては、ホンマにビックリしました。確かにカネにはならんでしょうけど、そうなってくると他にも気になるメーカが思いつくだけでも何社かありますね。ここで列挙するのはさすがに差し控えますが…

 ちなみに我が家にはクラニシのSWR計がありますが、なぜかほとんど使ってないです。SWRも常時監視しといた方がいいんでしょうが、そういう習慣がありませんでして。

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この記事について

このページは、ji3kdhが2008年3月29日(土) 20:50に書いた記事です。

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