TL-922 1の5

 以前完了し出荷した個体が出戻ってきてしまいました。


 不具合の症状は、「CQ TESTを続けていると同調がずれてくる、冷めると戻る」というものです。しっかり連続試験してないのでご迷惑をおかけしたようです。実は思い当たるところがありました。この写真がその場所、今回の修正前です。


 こちらが修正後。入力カップリングコンデンサに貧弱なセラミックコンデンサを使っていたのが良くなかったのでしょう。試しに外して容量を簡易に測定しながらライタであぶってみたら、見るみる数値が下がっていきます。これではいかんなぁ、と同じ実験でほとんど数値の変化がなかったご覧のものに取り替えました。ついでに5-5間の下手くそな配線もやりなおしです。

 ところでこちらで「なぜこの日本人は1番側に接続しとるんや。フィラメントにより近い5番に接続するべきではないのか」と(無断転載の写真とともに)ありますが、そこまでおっしゃるのなら、片側の5番につなぐのではなく、渡り線の中点に接続した方がええんやないかなぁ? とはいうものの、小生あまり深く考えてこうしたわけではありません。カップリングコンデンサが一つだけでは心許ないし、左右のバランスを考えるとこちらの方が良いのではないか、1番側のリードはどちらにしても撤去できへんのやから、という程度で決めたまでです。

 いずれにしても、今回も同じ箇所に接続しました。容量がずいぶん少ない(一つあたり0.0053μF)ですが、二つで0.01μFならHFでの標準的な数値なので良いでしょう。容量の少なさが一番効いてくる1.8でCQ TESTを30分ほど続けましたが、同調点のずれは発症しないようになりました。すでに出荷した別の個体も、これが原因でまた出戻ってくるんでしょうね…(^^;;


 続いてメータランプの球切れです。

 922は元々照明が暗いので球切れはあまりないと思うのですが、ムギ球を手配するのが面倒なのでSB-1000の時と同様にLED化してみることにしました。


 舞台裏はこうなってまして、


 このブッシングだけ再利用するのが良さそうです。


 もちろんここの保護抵抗(一つあたり10Ω)も取っ払って、端子台をありがたく利用させていただきましょう。


 …などと言うてるうちに完了。しかしあんまりきれいな仕事ではありませんねぇ(>_<)

 ちなみに、なんでか計算間違い(交流のままやのに勘違いして電圧を√2倍)してまして、写真の電流制限抵抗は500Ωになっていますが、最終的には330Ωとしました。それと交流点灯ですから2つを背中合わせに接続してあります(こうしないとLEDが壊れますので)。


 お待ちかねの点灯状況ですが、暗いですねぇ〜 ほとんど前にしか発光してないからでしょう、拡散キャップを被せた方が良いかも知れませんね。しかしガラス全体が明るいので、見にくいことはなさそうです。キャップを被せるくらいならユーザさんでもできそうですから、お楽しみということで置いておきましょう。

 ところで今回は手持ちにあった直径5mmのLEDを使いましたが、サイズ的に厳しいので3mmのものの方が良さそうです。あとお決まりですが、やっぱり電球色のLEDにしたいですね。

 これで今度こそ完了?です。出戻ってくるなよ…(^^;

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マイラーコンデンサのようにも見えるのですが、ディプドマイカでしょうか? そこのコンデンサ配置は、私もあまり関係ないと思っています。1-5にもCが入れてあるし。

小生そのあたりの区分を厳密にはよく分かっていない(^^; んですが、今回のはディップド(=樹脂ディップの外装)フィルムコンデンサ、というところでしょうか。日本橋の某店で一袋いくらで積み上げられていたものでして、材質(PP=ポリプロピレン、など)もメーカも不明ですが、

http://industrial.panasonic.com/www-cgi/jvcr13pz.cgi?J+PZ+3+ABD0040+ECWF2W104HL+7+JP
http://www.ncc-matsuo.co.jp/product/film/index.html

このあたりに似てます。…とここまで書いてさらに調べてみましたら、マイラコンデンサというのは材質がポリエステル(=マイラフィルム)のフィルムコンデンサのことのようですね。

http://ja.wikipedia.org/wiki/コンデンサ
http://www.interq.or.jp/japan/se-inoue/cond.htm

しかし、そもそもフィルム系をこんなとこに使うのは間違いだったかも…やっぱし横着せんとじっくりマイカ系を探すべきでした?(^^;

フィルムコンデンザだと、1.9MHzだと問題ないかもしれませんが、高いバンドになると損失が増える可能性が高いですね。

セラミックコンデンサは、いろんな温度特性があり、パスコンで使われるF特性だと-25℃〜+85℃の温度変化において、+30%〜-80%の規定となっており、温度が上がると半分の以下の容量に。でも、パスコンだからかまわない・・・という訳で、特性を知った上で、適材適所に使う必要があります。コレを知らずに適当に同調回路に使ったらエライ目に会います。←ワタシ

もうひとつは、直流高電圧を掛けると分極し容量が減少、まるでバリキャプのような特性となることです。

http://www.murata.co.jp/articles/ta04f1.html

ディプドマイカはその点、最良ですが入手難だし、カップリングに使うのはもったいない気がするので、複数個/異容量のセラコンをパラにして使うのが良いんじゃないかと。

そうですねぇ、やっぱし最低でも一番下と上(1.8と28)でチェックすべきですな。近々確認しておくことにします。問題は貧弱な(薄っぺらい)セラミックCに電流を流しすぎたことによるものだと考えれば、複数個というのは必須なんでしょうね。それと温度特性を補完させるために異容量のものを、というわけですね。

 実は一両日中に記事にする予定の例の入力マッチング回路にも、カップリング部に今回のフィルムコンデンサをたくさん使ってます。早速一部やり変えねば…

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この記事について

このページは、ji3kdhが2008年4月28日(月) 21:45に書いた記事です。

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