HL-1K/6 1の3

 こちらの続きです。


 まずは細かい修正。何度も開け閉めするうちネジが効かなくなった数カ所に、カレイナットを打ち込んでおきました。

 これ、多用するなら簡易なものでいいのでプレス的なものが欲しいところですね。いずれハンドバイスなんかを改造してみることにします。


 次はたまたま見つけたこちら。Ep用の分圧抵抗、一応それらしく指示してましたが間違いなくトラブルの元ですので、ハンダを増し打ちしておきます。


 さて本題。こちら(施工前)を


 このようにしてみました。

 これ、実はこちらのページをそのまんま真似させていただいたものです。ただし4CX250Bのデータシート(RCAの古いもの)には『グリッドリングの外側は使うな』と書かれています。今回の処置はあくまでも気分的なもので、本質的にはやはり専用ソケットを使うべきだと思います。まぁ「ないよりはマシ」ってことで。

 追加のCは、ちょっとオーバスペックかも知れませんが104/2kVを4つずつ仕込んでみました。某ークションで見かけるアレです。

 これでいよいよ動作確認…だったんですが、なぜか送信状態にしてもまったくアイドリングが流れない。Epも全く落ちないので、検出〜指示系統ではなく実際に流れていないようです。

 まず疑うのは今回触ったSg関係。なかなか動作中の確認はやりにくいんですが、電圧を見たいところから仮の線を出したりして見てみたところでは問題なさそう。ただし390Vもかかっててほぼ絶対定格付近です(マニュアル通り)。次はCgですが、これも同様に見てみたところでは、まず問題なさそう。その次はまさかの高圧ですが…これはさすがに直接電圧を見るわけにはいきません。

 …っとここまで来て、待てよヒータが灯ってないってことはないか? 2本いっぺんに球が悪くなるってのは考えにくいし、何より直列接続やないか。もちろんすでにテスタで導通確認はしてあるけど…実際に動作させて電流を見てみたら、あれれ0.2Aしか流れてませんがな。


 試しに接点洗浄液を通したあとナノカーボンでおまじない、そして前回の球押さえをもう少し強くするようにワッシャを追加してみたら、やれやれ無事動作するようになりました。

 Sgの件もそうですが、やっぱしこのソケットあきませんわ。ちゃんとした純正使ってたらこんな苦労せんでええのに、たかだか数千円(?)のためにこんなソケット採用したのは、明らかな選択ミスですよね。お陰でここに至るまでにずいぶん時間がかかってしまいましたよ。


 それと前後して、最初は動いてたヒータ予熱回路がいつまで経ってもタイムアップしないようになってしまいました。

 元々の電源(DC12V)は異常ないし、さすがに今さらUJTやPUTもないでしょう、ここは例によっていつも通りあっさりと


 信頼性重視でタイマリレーを使ってみました(ただしデッドストック品)。

 なおマニュアルによればオリジナルは60秒だったようですが、元々もっと早くタイムアップしてたのと、先述の4CX250Bデータシートには30秒とありましたので、余裕を見て32秒前後にしてあります。


 接続は最大限の手抜き、入力は基板に来てるAC100Vを分けてもらい、出力はPUT(Q2)だけ撤去してその代打で既存のリレー(RL1)をオンするようにしました。


 これでようやくアンプとして動作するようになりました。フルスケール1kWのメータで、こちらが動作状況。


 その時のIp/Igはこちら。お恥ずかしながらすでにIgが振り始めてます。

 メータ読みを信用するならEpは1800Vでしたから、効率は50%ちょっとというところで、正直もう少し出てもいいのになって感想です。これは球が惚けてるのか、あるいは例のロード追加Cが貧弱なのか、はたまた今回の施術の取り回しが良くないのか…まぁ煙は全く出ませんし、ダミー相手では今のところ問題もありませんので、しばらくこの状態で試していただこうと思います。

コメント(6)

いや〜 ここまで詳細にメンテして頂けるとは感謝感激でございます。
このアンプ、スクリーングリッド回路が貧弱だと思いません??
トランスさえしっかりしてれば、次の攻めどころはこんなところかなと思いますが、そこまでやる意味があるのかどうか疑問でなので、とっても満足でございます。
ありがとうございました。

なかなか、各所に素人さが見えてしまいお恥ずかしい限りです(^^; こちらこそ、色々勉強させていただきありがとうございます。

 まず「もうちょっと出るんやないかな」と僕が思った点についてですが、マニュアルに『最終的に出力が500Wに至っていないことを確認せよ』とさえありますから、元々この程度の出力しか考慮されてないのかも知れませんね。これは(も)知らなかったことでした。

 その上で、おっしゃる通りSg電源が今ひとつな感じがするのもそう(改造の際は例の回路採用ですね!!)ですし、無負荷で2500Vが全負荷で1800Vにまで落ちる高圧も、もうちょっとなと思ってしまいますよね。せめて2000Vがキープできればもうちょっとラクに動作すると思うんですが。でもなんやかんや言ってもこの大きさですから、よく頑張ってる方かも知れません。これのHF版なんかRFまわりも大混雑でしょうね。

 しかし…それよりも何よりも、本格的に手を入れるなら、とにかくソケットをSK600に入れ替えることからでしょうか。大工事ですが、まずはそれをやらないとまたいろんな問題が出てきそうです。でも…『そこまでやる意味があるのかどうか疑問』に激しく同意です(^^;;

おはようございます。

オーナーさんには悪いですがトランスの容量も小さく、冷却も今一つなので、球に無理が掛かってラッシュしやすいようです。

別の記事でコメントしたかも知れませんが、写真を見るとプレートRFCのコールド側とHV+電源は直結されているように見えます。

球がラッシュすると、球、高圧電源、メーター関係が壊れます。

メーカーでも後になって、RFCの足元に25〜50Ω10Wくらいのホーロー抵抗を直列に入れていましたよ。

入ってないようなら追加をお奨めます。入れると、パーン!がせいぜいパフくらいになり、被害は最小になります。

こんばんは…あっ!! しばらくアンプを触ってなかったこともあって、そこをすっかり忘れてしまってました!! 高圧ラインの緩衝抵抗については、僕もできるだけ入れるようにしてたんですが。

 ご指摘ありがとうございました。オーナ様、そのようなわけですからまた気が向かれたときにでも抵抗を挿入、よろしくお願いいたします(ぉぃぉぃ)。スペースが限られるので、ひょっとしたら10Ω5Wを2つ直列に入れるなどするとよりいいかも知れません。

銅板を敷き、スクリーングリッドのバイパス強化で動作が安定したとのことで、なかなかFBですね。

以下は老婆心ですが、メーカーさんのロードVCの使い方がダメですねぇ。ロードVCを縦に設置して端子間を銀メッキ帯で結んでも意味がないような...

スペースが許すならロードVCは縦ではなく普通の横使いにして、プレートVCに近い側の端子にコイルをハンダ付けして、その反対側に出力の同軸を接続して高周波を強制的に流せばロードVCの効きが良くなって効率も多少上がるでしょう。

また追加コンデンサやロードVC回りで異常があるようなら試してみたら。

こんばんは。引き続きのコメントありがとうございます。

 そうなんですよね、なんでわざわざ遠くなるような配置にしたんでしょうね。それと気になったのはアース側の処理ですよね。細くて遠くて…ちょっと考えたのは、今の取り付けのまま上下を反転させタンクコイルを上側に持ってきて、下側はずーっと銅板のグラウンドラインを広く伸ばす…ってことなんですが、まぁしかしそれよりも何よりも、まずはソケットをどうにかしないと始まらないなと思い、今回のような対処療法としてしまいました。

 追加のロードCの電流容量にも不安が残りますよね。もし次何かトラブルが起きたら、そのあたりも攻めてみたいと思います。

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この記事について

このページは、ji3kdhが2015年5月 4日(月) 20:50に書いた記事です。

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