TL-922 3の2

 長いこと手つかずだったこちら、時間を見て少しずつ作業を進め、無事完了しました。


 まずはフィラメントのソフトスタートです。


 今回は51Ωにしてみました。また初の100V入力での実動作確認でした。


 で、例によって簡易な測定をしてみたところ、突入はぴったり30Aに収まりました。

 ただこの抵抗値(51Ω)では充電に時間がかかるようで、1秒かそこらではタイムアップしてタイマ接点が閉じたときにピーク電流が出ました。それではあまり面白くありません。いろいろ実測してタイマ設定を2秒ほどにし、この値(30A)となっています。


 そしてフィラメントの接続順序入れ替えと、ドライブCの接続替えも実施です。

 NFB用チョーク回路はそのまんま短絡しといてというご依頼でしたが、今のところ外観上全く異常ないので、そのまま残しておくことにしました。


 さらに得意の?ソフトスイッチです。もう手慣れたものであります(^^) 進歩がないとも言えますが…例によって実績づくりにご協力いただくという一面もございます。


 ついでにこちらもお掃除。左側のタマ、プレートキャップがゆるゆるで、ほとんど「載ってるだけ」状態でした。こわー…以前ご紹介したKバージョンの品物は、これを嫌ってか留めビスを六角穴のイモねじに交換されてました。なかなかいい方法やなぁと思うんですが、手持ちがありませんので今回はそのままにしてあります。

 さて作業を終えて通電し、送受切替をがちゃがちゃやってまして、うむうむ、うまく動いてる…ん? 十回ほどやったでしょうか、見事送信しっぱなし状態になってしまいました。ありゃ? さすがに配線間違いはないと思うんやけどなー。すぐ調べられるLED側を見てみましたら、1.5V5mAと正常な値です。っということは接点側か…調べてみますとオープン時にもかかわらず10kΩほどを示しています。

 そこまで調べて、ぱっとひらめきました。


 DC100Vラインにもかかわらず、耐圧350Vの接点がこうも簡単にやられるというのは、こちらでもコメントさせていただいたコイルサージの仕業でしょう。早速テスタで調べてみますと、回路図にはあるはずのサージキラー(D8)が見あたりません。うーん、この個体、やっぱしロットがかなり若い初期の製品なんでしょう。あとになって追加されたものの、すでに出荷されたものについてはどうしようもなかったというところなんやないでしょうか。


 一番処理しやすかったここに10D10を入れました。


 そしてやられてしまったフォトMOSリレーを交換して、無事完了です。パワーテストは例によって1.8と28でともに1.2kW出力を確認しました。また耐久テストは、ダミーに向かって30分ほどCQ TESTを空振りさせてみました。幸い何の問題もなさそうです。もう少し長時間やってみてもいいのですが、電力量計の円板がバンバン回っているのを見るのは精神衛生上良くないので、そこそこで終了させていただきました。

 いやいや、それにしてもダイオード一つなかったお陰ではまってしまいました。さすがに事前にそこまでチェックなんてできませんよねぇ。そういう情報も知りませんでしたし。今後初期ロットもの?を手入れされる皆さん、この点はご注意なさった方がいいかも知れません。

コメント(12)

ダイオードが入っていなかったのですね。
1970年代、井上電機のFDAM-3の送受切り替えリレーにも逆起電力防止ダイオードが入っていませんでした。
何かの実験をしていて、外部でリレーをオン・オフしたとき、そのラインに指先が触れてびっくり。

ガレージ店主さん、たしかにありましたなぁ
私も3Pのマイクコネクタのスタンバイピンを硬貨だか小さいドライバーだかでショートして送信状態にしたら、ビリリッと、結構大きなショックを受けた覚えがあります。

お二方、貴重な体験談をありがとうございます。DC12Vラインでもコイルサージは4〜50Vになってるんでしょうね。一瞬だからいいようなものの、もう少し容量があれば人を死に至らしめるに足る電圧でもあります。気をつけなければなりませんね。

FDAM-3の回路図、こちら↓
http://www.oct.zaq.ne.jp/i-garage/hiroimono/tr1000.htm

TR-1000とパナ6はコピー、FDAM-3はトレース。

早速拝見いたしました。トレースってきれいにできてますねぇ、相当面倒そうですけど。それにしてもTR-1000ってプラス接地なんですね。当時は車載をあんまり意識してなかったんかな。

 貴重な回路図をありがとうございます。

KDHさん、ちわっす。

おっ、やられていますね!。
こちらの922ですが、とりあえず両方の正常のタマ
を入れ替えてみました。スルーの場合はRIGの送信は
正常なんですが、ON状態だとSWRが上がってしまい、
922のPWRが出ませんね。922の「入力同調回路」が
ヤラれた感じです。入力系のトラブルの改修は
経験された事が有りますでしょうか?。
この辺を疑った方が良い、みたいな過去の事例が
有りましたら、是非ご教示下さいませ。

松下さん、まいどです。入力同調回路ってそう簡単にやられるとは思えないんですが、どうなんでしょうか。そのあたりの経験がありませんので、詳しくは拝見してみないと何とも言えませんが、まずは一度下記をチェックしてみていただけませんか。

1)バンドによって様子は違いますか?
2)送受を何度もがちゃがちゃやってみて、どうですか?
3)バンド切り替えスイッチをくりくり回してみて、どうですか?
4)プレート・ロードの同調点はそれなりの位置にきていますか?

KDHさん、ちわっす。

スンマソン、色々と。

>1)バンドによって様子は違いますか?

どのバンドも、ほぼ同様ですねぇ。
バンドによって変化するのなら、ANTを疑うのですが・・・・。

>2)送受を何度もがちゃがちゃやってみて、どうですか?

今の所は目立った改善は確認出来ません。

>3)バンド切り替えスイッチをくりくり回してみて、どうですか?

これも2)同様ですねぇ。

>4)プレート・ロードの同調点はそれなりの位置にきていますか?

以前の正常時に比較すると、少しズレていますね。

今週末に再度、ゴソゴソとトライしてみます。

> SKVさん
入力同調回路が焦げるほどパワー入れたと言うことはないと思いますので、入力側のバンドスイッチの接点のバネ(?)が微妙に緩くなっていたりしませんか?

松下さん了解です。そして川野部さん、合いの手ありがとうございます。

 全バンドともであれば、少なくとも入力「同調」回路ではありませんね。リレーの接点もちょっと疑ってみたんですが、922は相当でかいものが使われていますから、通常on側がやられることはあまりないと思います。というわけで、疑うのはやはりバンドスイッチ(のコモン側?)でしょうか。

 順序が前後しますが、入力SWRが悪いとはどの程度でしょう? たとえばエキサイタ内蔵の(あるいは外付けを間に入れて)アンテナチューナを働かすと追いつく範囲でしょうか? GGはご存じの通り出力側のミスマッチによって入力側のインピーダンスなども変わってきますから、入力側だけに注目してるとハマってしまうかも知れませんね。

 他にも見たいところはいろいろあります(グリッドまわりや、ドライブコンデンサ、フィラメント電圧)が、小生でしたらまずは五感を最大ゲインにして各部をとことん観察する(最初は非通電で)というところから始めます。焼けたり「あれ」っていうところ、ないでしょうか?

PSJ,KDHさん、どうもです。

週末にバンドSWあたりを重点的にチェックしてみますね。
入力SWRですが、RIG内臓のもので「無限大」です。
とても追い付く範囲では有りません。それも全バンド。
ゴソゴソやってみます。五感の中の「目視」で判断出来ると良いのですが・・・・・。(^^;;;
経過等は、Blogに記事にしてみますね。

無限大であれば劣化のたぐいではなく、どこかが外れてる/接触してない/短絡してるのいずれかですね。忘れてたんですが、GKタッチの被害の一部かな? とすればグリッドまわり、ドライブコンデンサあたりが怪しいかな。

 経過の記事を楽しみにしています。

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この記事について

このページは、ji3kdhが2007年3月30日(金) 19:40に書いた記事です。

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