ソケットボックス その5

 お待ちかね(誰も待ってない)、入力マッチング回路の製作と組み込みです。

 写真のタマはフィンを磨く前のものです。


 回路はモノバンドですからいろいろな選択肢がありますが、やはり実績が多いという点でπ型にしました。CQ出版社の「リニア・アンプ ハンドブック」(絶版)に掲載されている計算式をそのままいただいて計算したのがこちらです。

 Qはもう少し高くても良いのですが、無用なロスが出そうなのと、電流をジャンジャン流すパーツが揃えられなそうでしたので、標準的な値(2)としました。それとタマの入力インピーダンスがよく分かりませんでしたので、ネットで見たいくつかの例の平均値(95Ω)にしました。


 値が決まれば、早速製作開始です。そういう制約はあまり設定したくなかったんですが、許されたスペースはこれだけ。

 コイルは前回巻いたものを、コンデンサはセラミックですが、ライタであぶってもあまり容量変化しないものを使ってみます。そしてどちらかを可変(半固定)にするのも考えたんですが、Qが低いので帯域は広いだろうと、あえて固定部品のみとしてみました。(というか、そうしたいからQを低くしたというのが正しいかも)


 これから暑い時期ですが、銅ものを触るときはオカモトさんのお世話になってます。


 途中をすっ飛ばして、位置決め中。

 ソケットへの接続は、新たに穴開けしてタップを立てました。


 ここからがちょっと面倒。


 バイス台(万力)欲しい〜 けど置くとこないので、材料を使った邪道な作業中(^^;


 こんな感じで、


 銅板ツアーはまだ始まったばかりです。


 入力接続はこんなところになってしまいました。

 まぁ穴開けさえ頑張れば、特に問題はなかったんですが。


 道中は風を迂回して長めにしたんですが、まっすぐいった方が良かったかな…

 それと前回の宿題のパスコン追加(各々0.1μF)ですが、リードが長いですねぇ〜


 その後別記事で、カップリングに使ったコンデンサがフィルムタイプだったことが判明し、とりあえずタマ側だけセラミックのものに交換しました。基板側は様子を見て対処です。

 しかし…アップで見ると下手くそなところがバレバレですねぇ(^^;;

 アンテナアナライザで簡易にチェックしてみましたところ、ほぼ計算通りのものになっているようです。若干Lが大きいような気もしますが…実際にドライブしてみてから、微調整の予定です。それと改めての体験なんですが、基板単体でチェックしたときと、この状態に組み込んだときとで、動作に全く差がないんです! まわりにこれだけ導体があるのに、さすがトロイダル・コアですね。面白いです。

コメント(9)

杉山様 吉田です。
教えていただきたい事が有ります。
お忙しい中 大変恐縮です。
現在 グリッドチョーク焼損の件で、グリッド接地の件まではお話致しましたが、ここで私自身 どうして良いのか悩んでいることが有ります。
杉山様の以前行ったグリッド接地の物を参考にしようと思って今考えていましたが、 これです。
http://www.2333.net/~ji3kdh/weblog/archives/2007/01/tl-922_23.html

しかし、 同じJF3DIR 西村様の行った銅板でやった
物は、発振しロードバリコンから火花が飛び散ったと有ります。 彼は、ソケットピンから最短にグランドへ落とす方が良いとかかれていますが、この辺りの所は、どの様に組んでいった方が無難でしょうか?
良い方法をアドバイスしていただけないでしょうか?
又、 先日GKでのスパークで ドライブコンデンサー
は、新しい物へ交換した方が宜しいでしょうか?
スパークした方 もしくは、両方の交換が望ましいか
悩んでいるところです。 本音を言いますとこれ以上の改造は、私のスキル上 無理なので安全で出来る方法が有りましたら御願いしたいのですが。。。
とにかく 今は、友人が残していった物を無事に動かしたい思いです。 ここのサイトでも、杉山様が改造
されているような方法なんですが、何故 西村様は、の物は発振されたのでしょうか?
疑問が残る点でもあるのですが。。。
http://www.xs4all.nl/~pa0fri/Lineairs/TL922/tl-922eng.htm
吉田

吉田さん、西村さんの作業でなぜ発振に至ったかは、記事にその答えが記載されています。今一度じっくりご覧になってみて下さい。

http://jf3dri.tea-nifty.com/blog/2007/04/tl9221_55dc.html

そして、このことはRFアンプを触る上で大変重要なことですから、どうかあともう少しだけ、自力でお考えになってみて下さい。ヒントは重箱本などにもしつこいくらい掲載されています。

http://www.nasu-jiro.net/

 大きさが全然違いますが、こちらもどうぞ。

http://www.bear-el.com/

 今回の本記事も、そのあたりを考慮した工作のつもりです(まだ途中ですが)。

 ドライブコンデンサ(カップリングコンデンサ)については、多分大丈夫だと思いますが気になるようでしたら交換なさっても良いのでは? 大したパーツでもありませんもんね。

着々と粛々と進行中ですね。隣には大きなコイルとVCが鎮座ましましてるのでは?
最短接地は短波屋(VHF屋かな?)の常識、電流の戻り道を想定するのも自作屋の常識ですね。
次の文章を待ってます。壊れたとは書かないでください。

いやー、まだまだこの小さな箱で遊んでる段階です。そろそろケースを買わなあきませんけど…真面目な話、未だにロードVCを物色中でして(^^; プレートVCと同じものならあるんですが、可変範囲が狭そうで採用に踏み切れずにいます。

「アース」←コレ結構難しいです。真空管式オーディオアンプを組んだことがある方だったら一度や二度経験されていると思いますが、ハム音が出たり、プチプチノイズが出たり、アースのハズである金属シャーシに手を触れるとブーンとハム音が出たり・・これらの原因は「アースループ」で電気の流れ道が複数存在する場合、ピックアップコイルのようになって起電力が発生したり、GNDであるにもかかわらず、電位差があったり・・・これを防止するため「1点アース」と言って、シャーシに接続する場所は必ず1箇所とし、シャーシに電気を流さないことがオーディオでは鉄則になっているのです。でも高周波だと、この考えも必要なんですが、それより3-500zのような場合、グリッドをいかに確実にアースに落とすか・・・要するにL成分をいかに少なくして均一にGND電位にするかがポイントとなってくるようです。

ロードバリコンは、500pF 1000Vだと手持ちがありますが、1.9なんでもっと大きな容量が必要ですよね。お探しのは、470pf X 3連クラスで程度の良いものかな。

しかしこの完璧なる実装、ワタシはここまでよぉしません。ビス/ワッシャー/ナットだけでもうずいぶんと使ったんじゃないでしょうか。

上のアースの話に関係しますが、ソケットボックス側につけてあるBNCメスはシャーシから浮かせている?いない? まず、そこまで考える必要はありませんが・・・。

アースについてですが、オーディオアンプで銅板を敷いたらどうなるでしょう? 一点アースより悪くなることはないんやないかなと想像してるんですが…

 それにしても、ありがとうございます! おっしゃる通り1500pF〜あたりがあれば最高、1000pFでもまぁ文句なし、と思ってました。でも…いざとなればHL-2Kの抜いたろかとまで思ってましたので、いよいよ手に入らなければそれ譲っていただけませんか? 922のプレートVCならいくつかありますので、もし良ければそれと交換とか?

 お察しの通り、ビスカッタ(ビスを短くする工具)の出番が多数あります(^^; 「あ、こうやっといたら良かった」って箇所ももうすでに何点か(も)発生してますが…

 そして鋭いご指摘ありがとうございます。そこのコネクタは単なる中継(前後とも同軸)なので、あまり接地には気を遣いませんでした−絶縁もしてません。でも、ひょっとしたらこの「中途半端な接地」状態が悪さするかも知れませんね…ペイントを剥がしておくくらいは、しておいた方がいいかな? それとも、銅板ツアーをここまで…うーーーむ

>オーディオアンプで銅板を敷いたらどうなるでしょう?

じゃ、シャーシをアルミから銅にすれば、さらに銀にすれば全て解決??

コネクタのメスは、たいていシャーシに直接取り付けることとなりますので、コネクターのところでアースに落ちますね。その受け側(入力マッチング回路)も、シャーシに落ちますね。・・・としたら帰りの電流は�@同軸の外皮を流れるもの �Aシャーシを通して流れるもの と2通りに。ゲインが高いオーディオアンプでこの配線だとほぼ間違いなくハムが出たり発振したりします。
(トロイダルコア活用百科[第6版]にある1.9MHz500W SSPAの記事[P220,221]に触れてあります。)

ありがとうございます! 小生もまだまだ分かってないのがまたまたバレバレですね(^^; 早速修正しました。

コメントする

この記事について

このページは、ji3kdhが2008年5月 4日(日) 19:53に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「突然ブルーバック」です。

次の記事は「ソケットボックス その6」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。