聞き比べ


 もったいぶるほどのサンプルはないんですが、先日のARRL160mでちょっとだけ録音してきた950とR-4Cの聞き比べです。

 なお、あくまでも限定された状況の下、所有する個体一台ずつを短時間にちょっと切り替えて聴いただけですので、これが全てというわけでは決してありませんしそもそも客観的・定量的なデータは何もありません。あくまでも話のネタとして、どうぞ。

 設定としては、

TS-950SD : IFフィルタは8.83MHzの500Hzと455kHzの500Hzを選択、APIはoff、AGCはFAST、ATTは0(なし)、RF GAIN最大、AF GAINは0時位置、INRADのルーフィングフィルタを装着
R-4C : AGCはF、RF GAIN最大、AF GAINは3時位置、ルーフィングフィルタ装着IFは500HzAF回路入れ替え給電は117V、など

です。

N5IA(Dec.5,2009の1010zから約40秒、この時QSOはできず)

 たったこれだけでスミマセン。スタートから約18秒までは950、そこから29秒まではR-4C、そして31秒まで950でそこから最後まではR-4Cです。こうやって聴くと違いが分かりにくいかもですが、ご注目いただきたいのはノイズが入った時の差でして、950だと聞き取れないのにR-4Cだと充分聞けるというのがお分かりいただけるでしょうか。逆に、ノイズがない場合はそれほど差がないとも言えます。

 もっといろいろ録音すれば良かったんでしょうが、それよりもQSOするのが主目的(何しろ年に数度の運用)なので、なかなかいい物が録れません。どちらか片方だけなら簡単なのですが、それでは意味ないですもんねぇ。

コメント(17)

このバンドの受信に当たっては、シングルスーパーや、ダイレクトコンバージョンのような単純な回路方式が良いのかもしれませんね。デジタル回路は一切使わずに純粋なアナログ回路のみで。

確かに950はノイズの処理がよろしくないですね。AGCのかかり具合が悪いような気もします。FASTだったのですよねえ。
それに950はR-4Cとの比較でゲインが高めの印象です。
もう10dBほどATTでも入れると、多少印象が変わるような気もしないでもないですね。
何れにしてもR-4Cのような、純アナログの単純な構成の受信機が良いと言うことでかね。
ケースバイケースだとは思いますが・・
大変参考になりました。ありがとうございます。

西村さん:この違いの理由はワタクシにはよく分かりません。ただ、やはりフロントエンドからミキサまでは特に神経を使う必要がありそうですね。トップまわりに余計なものをぶら下げるのは厳禁、とは師のお言葉です。(ちなみに950SDはCW受信にディジタル処理は関わっていなかったと思います…が、定かではありません)

 斉藤さん:もう少しまともなサンプルがあれば分かりやすいのになぁ、と聞き返して痛感してます。はい、AGCはFAST位置でした(その他の設定も記事中に少し追記させていただきました)。ATTもそうですし、APIやらVBT、APFその他をこねくり回せば何とかなるかも知れませんが…いや、ノイズに対しては単にAGCを切ればよいだけかも知れません。しかし、それらをしなくても聞けるなら、やっぱりそちらの方がいいということになりそうで。確かにAGCのアタック/リリースが相当速くていい結果が出ている?のも一因かもとも思えます。

 それとあれですね、他のバンド、特に高い方だとまた全然違う結果だと思います。そういう意味でも、非常に限られた状況ではありますね。

「熊本シティースタンダード」のSSBジェネレータで作ったオンボロの50MHzトランシーバーと50MHz専用機とを比較したことがあり、なんとスキャッターの弱い信号が自作機の方が了解度が良かったことがありました。
ただし、自作機の方はAGCの効きが悪く強い信号は大きな大音量で、弱い信号はVRを上げてやらなければダメという粗悪なもので、実用的ではありませんでしたけど・・・。
「デジタル回路を一切使わない」というのは、VFOやコントロール回路にDDSとかマイコンも一切使っていないとの意であります。デジタル回路とアナログ回路を同居させるのは非常に難しく、デジタル回路からのノイズ除去に大変苦労した例(ワンセグの受信モジュールで表面にアナログ受信IC、裏面にデジタル復調ICが高密度で実装されているものの開発)を知っているからであります。

あ、なるほどディジタル回路との同居のことだったんですね。そういわれれば、今回は前回のような950のセットのイズは気になりませんでした。それほど長時間聞かなかったからか、それとも外来ノイズが多かったからかは定かではありませんが。

 実は今回、贅沢にも2VFOがいいなとかメモリが欲しいなとか思いましたので、DDSで外部VFOを…と思ってたんですが、そのあたりのデメリットも大いに考えなくてはなりませんね。

 それと善意に考えれば、市販機の場合は広範囲(周波数的にも対ユーザ的にも)に渡ってフラットな特性が必要なので、どうしてもバンドによる得手不得手があるのかも知れません。

トップバント受信のみだったら、専用受信機の自作もそんなに困難じゃないかもしれませんね。イメージ除去のため、わざわざ高い周波数に持ち上げる必要もないので、ごく一般的なシングルスーパーが可能だし、その方がクリアに聞こえるかも?

うーん…リニアアンプそれも三極管のものですから猿まねの域を超えてない自分としましては、実用になる受信機なんてとてもとても…って感じです。AGC一つとっても950のに不満があるくらいですから…いや、もちろんやってみる面白さはあるだろうというのは分かります。

 そして160はCWのみなので、送信機も簡単…ということは、いつかは無線機をってことにつながりそうですね。

こんにちは。
ご無沙汰しております内に、はや12月も真ん中になってしまいました。

950SDとR-4C、聞かせていただきましたが、外来ノイズなしの状態で950の方がS/Nが悪いですね。IFフィルタの差かな。R-4Cの方が良く聞こえるのは、まず、このせいかなと思います。

あとゲイン的には950SDがぎりぎり(ノイズフロアすれすれ)なのかな? 平板で聞きにくいです。APIがOFFということは最大感度ということでしょうか。R-4Cはまだ少し余裕があるように聞こえますね。ダイナミックレンジの差かな...

たしか950は940のフェーズノイズ特性の悪さからDDSを搭載して局発のピュリティの高さも売りだったと記憶しておりますので、局発の差はあまりないのかな?でもミクサは少ないに越したことはないでしょうから西村さんの書いておられることもわかるような気がします。

SDはKen最後のアナログ機ですから大事になさると良いと思います。私は950SDXを持っていて同じトランスバータのコンバータ出力をPD-2などで二つに分けてSDXと940Sで同時に聞いたりしておりましたが、50MHzで信号が弱くなったとき、SDXの方が先に了解度が悪化した、NBの効きも940より悪かったので、SDXは震災前に神戸の方に売ってしまいました。

β教粗さま、ご無沙汰いたしております。ホント、もう年の瀬のはずなんですが全く実感が湧かないまま相変わらずバタバタいたしております。

 そしていつもながらの貴重なコメント、ありがとうございました。もう少し長い目のサンプルがあればもっといろいろご考察いただけたと思いますが、そのようなわけでギリギリの信号を聞き比べたものがこれしかなくてスミマセン。

 単純な信号の強弱は、たまたまQSBでそうなっていたかも知れません。さすがにゲイン不足とは考えたくないですよね…そうですか、SDはもうあまり生息例を聞かないのですが、まだまだSDXは現役も多いですよね。一事が万事ではないでしょうが、やっぱり極限ではSDXの時代のディジタル機よりアナログ機の方がいいのかな。

 はい、ご提案の通りよほどのことがない限りこれ(SD)は使い続けていくつもりです。何しろ開局当時からのTRIO派ですので、扱いになれているというのが大きいです(その割にごく一部の機能しか使っていませんが)。送信機として考えても、一部に不具合のある個体ではありますが、他の機種というのは今のところありませんので。

 ところで聞き比べですが、β教粗さまのようにアンテナからの受信信号を分配して同時受信し、AF出力をステレオで左右同時に録音すれば面白いかも知れませんね。切替器の改造が必要ですが、ちょっと考えてみることにします。

こんばんは。
これって受信用のアンテナは何でしたっけ。私の所で160mをやった頃は前に書きましたように受信はリモートチューンのスモールループが割合使えたのですが、ゲインは全然ないので、AMECOのプリアンプを入れてちょうど良い感じでした。

ですので 受信系のアンテナ→プリアンプやプリセレなど→分配器→各リグ のような感じであればすぐできるでしょうね。

それにしても、時間を掛けて良いシステムを構築されておられますようでFBだなぁ...と思います。お話を読んだり受信の録音を聞いたりしていると、次は2月のKCJ TOP BANDあたりを目指してスモールループとタワードライブでも上げてみたいなぁ...などと思ったりします。

ふたたびありがとうございます。夜勤明けだったということもあり、受信アンテナを上げる気力がなくて送受兼用の逆Vだけです。それにしても、同時受信ができるようにしてあると送受の周波数あわせもラクになるし、ちゃんと考えた方が良さそうですね。

 KCJのそのコンテストは参加したことないんですが、その前の一月末に面白いコンテスト( http://www.cq160.com/ )がありますので、よろしければどうぞ(^^)

めちゃくちゃロングパス(10年前・・)でスミマセン。

ほとんどジャンク状態だったTS-950SDXを入手して、直して使っていますが(DDSのROHMの抵抗アレーの半田不良修正)、AGC FASTだと同じ様な感じです。(バチバチ言う音)
まだDDSの不良があるのかと思っていましたが、この症状、AGC middleや、AGC slowにすると軽減される様です。

 いえいえ、とんでもございません。過去記事を読んでいただけるだけでもありがたいのに貴重なコメントまでいただけて、嬉しい限りです…ってえらい時間帯ですな。
 AGCを遅くするなんて超強力なCWをラグチューモードで聞くときくらいしかしたことないので、全く気づきませんでした。ありがとうございます。
 っていうか今回改めて聞いてみましたけど、この記事の音源全然参考になりませんね(^^; 比較するには短すぎるし、K3に耳が慣れたからか分かりませんが950(SDXではなくてSDです)のは特に聞きにくい。
 それはそれとして、普段ついついAGCを切ることすら忘れがちなので、弱い信号の時こそいろいろ触らなくてはと今さらながら思い直してます。

K3は良いみたいですね~。
で、SDXであれ?と思ったのは、実は2000年頃に、会社のクラブで、(SDXでは無く)SDで聞いていたことが有って(かなりの間、聞いてました、もちろんCW)、その時は、そんなにバチバチ言ってた印象が無くて(だからSDXを入手しようとしたのですが)、ひょっとして経年変化?の疑いがあります。(まだ仮説で、全然証拠は無いのですが)

最近、タンタルで痛い目に合ってまして、このタンタル、電解コンと比べると、温度係数が小さいので、定数が変わって欲しくない所に使われる傾向にあるのですが、30年も充放電してると、いくら固体と言えど、劣化してくるみたいで、TS-770では温度係数0のC0Gタイプのチップコンに交換したりしてます。キャパシタ交換で直ればいいのですが、疑い出すとキリ無いです、Hi。

 結局自分的には耳が今ひとつだったのと、とにかく重たいのとで950SDはずいぶん前に処分してしまいました。ご存じ某940を使ってたこともあって使いやすさはバッチリ・快適だったんですが。
 考えてみたらもうだいぶ昔の機械ですもんね。SDとSDXの受信部にどの程度の差異があるか全く存じてないんですが、ディジタル的な処理が介入してるならさすがに今とは雲泥の差でしょうし。

 タンタルコンの記事、拝見したような記憶があります。ケミコンにしろペーパーコンにしろ、やっかいですねぇ。フィルムコン問題もありましたか。
 それにしても、いろんな無線機それも比較的大きいものを触っていらっしゃいますね! こちらは都度作業場所を確保する時点で四苦八苦いたしております(^^;

SDの件、そうだったんですね。
バチバチ音の件は、海外を探るとNotch onが関係するとも書いてありました。まぁぼちぼち整備します。
某940は、パワーが出なくなり、よくわからなくて、楽しませてもらってます、Hi。電池も無くなりました(月日が経ったなぁ、これもそのうち)。
整備場所ですが、大型機は、田舎のフローリング部屋を一室占領してしまっています。コメリで、プラ板買ってきて、それを敷いてますが、変な姿勢で、半田付けとかするので、床で整備すると筋肉痛になります、Hi。

 でもNotchなんてほとんど使ってないと思うんですが、自分だけ?
 830-940が良かったこともあってKenwood派な僕としては、ある方が気に入っていらっしゃるTS-890にかなり興味あるところではありますが…まぁ言うだけでしょうね(^^;
 あぁ、それは確かにキツい体勢だと思います。腰を大切になさって下さいね! 場所に恵まれていらっしゃるのは何よりです。僕も自分の部屋があるだけラッキーで、あれこれ言う前に多すぎる荷物をなんとかせねばと思いながら、もう○○年…

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この記事について

このページは、ji3kdhが2009年12月 8日(火) 19:56に書いた記事です。

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